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第205回 杉並区都市計画審議会議事録 令和6年(2024年)1月16日(火) 一部抜粋

議事録

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1月16日に行われた杉並区都市計画審議会にて、善福寺川調節池について質疑を行いましたので、私・富田たくの質疑部分を抜粋して掲載いたします。
[審議事項] 議案1 東京都市計画河川第8号善福寺川の変更について(案)[東京都決定]
最終的な賛否の結果、委員15名のうち、賛成12名、反対6名、賛成多数で原案に同意する旨の答申を出すことになりました。

リンク:杉並区HPの関連ページ ⇒ 善福寺川流域の浸水対策について
リンク:議事録前分についてはコチラから ⇒ 第205回都市計画審議会 議事録(令和6年1月16日)
リンク:杉並区都市計画審議会から岸本聡子区長への答申内容 ⇒ 東京都市計画河川第8号善福寺川の変更について(答申)
リンク:岸本聡子区長から東京都知事への意見 ⇒ 東京都市計画河川第8号善福寺川の変更について(回答)
~~~~~~議事録抜粋開始~~~~~~
【第205回 杉並区都市計画審議会議事録 令和6年(2024年)1月16日(火) 】
[審議事項] 議案1 東京都市計画河川第8号善福寺川の変更について(案)[東京都決定]
●中井会長
ただいまご報告のとおり、傍聴人から録音、撮影の申出が出ております。本日の傍聴ですが、昨年度本審議会でご決定いただいた注意事項を条件として録音、撮影を認めてまいりたいと思いますが、皆々様、よろしいでしょうか。(「異議なし」の声あり)中井会長     よろしくお願いいたします。
それでは、録音、撮影について許可いたしますので、傍聴の皆様は受付でお渡ししました注意事項をご確認の上、お守りいただくようお願いいたします。

それでは、続きまして会議記録署名委員を指名いたします。本日の会議記録の署名委員は、ひわき岳委員を指名いたします。よろしくどうぞお願いいたします。
それでは、続きまして事務局から議題の宣言をお願いいたします。
●三浦管理課長
本日の議題ですけれども、議案が1件で「東京都市計画河川第8号善福寺川の変更について(案)」でございます。
資料はあらかじめお送りしてございますが、お手元にございますでしょうか。
本議案につきましては、東京都決定の都市計画案でございます。
これまで東京都は神田川流域の治水対策としまして検討を重ね、平成28年3月に神田川流域河川整備計画の改定で善福寺川上流調節池と取水口1か所を計画し、令和5年3月の改定で取水口3か所に変更し、同年8月に都市計画素案が示されました。その後、地域説明会等におきまして地域住民のご意見を伺いな
がら検討を進め、同年11月末に都市計画案が示され、同年12月1日から15 日までの間、公告、縦覧を行うとともに意見書の提出手続が実施されています。
本議案については、都市計画法第18条第1項に基づき、関係自治体の意見を伺うことと規定されていることから、東京都より杉並区に対して意見照会がございました。区は、東京都へ回答するに当たりまして本日審議会に諮問いたしますので、ご意見を頂きたいと存じます。
なお、今後のスケジュールですが、当審議会の答申を受けまして、区としての意見を区長から都知事に回答し、2月6日開催予定の東京都都市計画審議会において審議される予定となっております。
それでは会長、進行をお願いいたします。
●中井会長
それでは、本日も円滑な進行にご協力をお願いいたします。
それでは、議事に入ります。今日は議案が1つということでしたけれども、議案1について、事務局よりご説明をお願いいたします。
土木計画課長、どうぞ。
●安藤土木計画課長
それでは、私から、議案1「東京都市計画河川第8号善福寺川の変更につい
て(案)【東京都決定】」についてご説明いたします。
初めに、資料のご確認をお願いいたします。
議案1でございますが、表紙のほか、おめくりいただきまして、ページ1に
「東京都市計画河川の変更(東京都決定)」、その次のページ2に「新旧対照表」、ページ3に「変更概要」、ページ4に「都市計画案の理由書」、また、ページ5と6の「善福寺川総括図」と「善福寺川計画図」は、縮尺が 2,500 分の1の図ですが、A3判に縮小して折り込んで添付してございます。
そのほか、「参考資料(議案1関係)」としまして、資料1「都市計画変更素案のあらまし」、こちらにつきましては、令和5年8月に都が実施しました都市計画変更素案の説明会での資料の抜粋で、16ページある資料となります。
また、資料2「善福寺川上流調節池(仮称)に関する意見・要望について」となります。
なお、先ほど申し上げました、参考資料とは別に席上配付として、東京都の「TOKYO強靭化プロジェクト」のグリーンインフラに関する資料の抜粋を机上に配付してございます。
過不足等はございませんでしょうか。よろしければ説明に入らせていただきます。
議案の資料でないほうの参考資料のほう、資料1の「都市計画素案のあらまし」の2ページからご覧ください。
こちらは「東京における近年の降雨状況の変化」となります。グラフによりますと、昭和55年から平成元年までの10年間に20回だった1時間に50ミリを超えます降雨につきましては、平成22年から令和元年までの10年間では50 回へと増加しており、それに伴い水害のリスクも高まっておりますので、降雨状況の変化への対応が急務となってございます。
次に3ページをご覧ください。「河川整備の考え方」、こちらは都のほうでございますけれども、都が目標としている河川の整備水準は、以前は50ミリ降雨に対応する整備でございましたけれども、降雨状況の変化に伴いまして、平成
24年に時間最大75ミリの降雨に対応できるように引き上げられてございます。左下に記載のとおり、時間75ミリの降雨の内訳としましては、都は1時間に 50 ミリの降雨までは河川の断面を大きくする河道整備で対応、また、さらに、
1時間に50ミリを超える降雨につきましては、新たな調節池の整備で1時間に 15 ミリを確保しまして、さらに雨水浸透ますの整備などの流域対策を用いまして10ミリを確保して、合わせまして時間75ミリの降雨に対応していくという考え方で、都内の豪雨対策は進められてございます。
令和3年度末の善福寺川の河川整備の状況でございますけれども、1時間に 50ミリの降雨に対応できる護岸などの整備が完了している区間は全体の約61%となってございます。また、未整備の区間では、1時間に30ミリの雨までしか対応できておらず、近年の1時間に50ミリを超えるような雨の場合、川沿いの低地では浸水被害が発生しやすい状況となってございます。
続きまして、5ページをご覧ください。この調節池につきましては、都の神田川流域河川整備計画に基づくものとなります。
下段の「●」の「流量配分図」というのがございまして、これは善福寺川の橋の名前が書かれている図でございます。こちらをご覧ください。上流に善福寺川と囲んである部分の付近に、女子大通りと善福寺川が交差している、名前が読みにくいのですけれども、「原寺分(はらてらぶ)」と呼ぶ橋がございます。
右側が下流となっていまして、原寺分橋から下流に関根文化公園、また関根文化公園から環状八号線は少し上流ですが、界橋という橋がございまして、また神通橋、これは善福寺川緑地の辺りですけれども、そこから五日市街道の尾崎橋までの区間に、約30万立方メートルの容量の調節池を都では計画されてございます。
30 万立方メートルとはどのくらいの量なのかというのが分かりにくいので、小学校にある25メートルプールに換算をしますと、幅が12メートル、水深1メートルとして換算しますと、プール1杯が大体 300 立方メートルございます。
30万立方メートルとなりますと25メートルプールで大体1,000杯分ぐらいかと考えております。
次に、6ページをご覧ください。昨年6月の台風2号の際、善福寺川の上流域、荻窪二丁目付近に西田端橋という橋がございまして、これはシャレール荻窪の前のバス通りにかかる橋ですけれども、そこから上流の松見橋までの間では河川の水が溢水しておりまして、地図の中央に赤枠で記載している箇所になります。こちらで浸水被害が発生してございますけれども、一方で、調節池が整備されている下流側でございます。例えば善福寺川調節池がございまして、青枠で下流側に書いてあるのですけれども、成田西四丁目の善福寺川緑地内にございまして、また地図の中央付近に、これも青枠で記載しているものでございます。こちらの下流よりにさらに青枠で既存の調節池が、和田堀調節池だとか様々書かれておりますが、この下流の辺りでは調節池の洪水調節池効果で、水位低下が図られまして浸水被害が発生していないということが6月2日の状況となってございます。
次に、本来の議題1の資料にお戻りいただきまして、そちらをご説明させていただきます。
議案1の資料を1枚めくった1ページをご覧ください。「東京都市計画河川の変更(東京都決定)」の表でございますが、現在の善福寺川は、記載では都市計画法上は第8号善福寺川となっております。
善福寺川の下流の和田一丁目から上流の善福寺二丁目までの範囲になりますので、位置は起終点を書いております。
区域というのは川の幅のことですけれども、幅員20メートルから11メートル、延長は、区内で完結している川ですけれども、1万860メートル、10.86キロメートルでございます。
構造につきましては、掘込式、単断面式と都市計画されています。
今回は、この都市計画について新たに計画する調節池に関する必要な都市計画変更を行うというものでございます。併せまして、土地の適切かつ合理的な利用の促進を図るために、地中部分に掘るトンネル部分に関して立体的な範囲を定めるものでございます。
表のただし書の部分でございますが、計画案の調節池の位置は、上流側、西荻北四丁目、五丁目から記載のたくさんの町丁目のとおりでございます。区域の面積は、これは都市計画が新たに増える面積になりますけれども、6万 100 平方メートルで、構造はトンネル式・地下式となっております。
2ページは新旧対照表、3ページは変更概要となっております。
議案の4ページの都市計画案の理由によりますと、都では、近年の気候変動の影響により、これまで経験したことのない危機に直面していることから、令和5年10月に改定した「東京都豪雨対策基本方針」の中間取りまとめでございますけれども、そちらにおいて河道の整備推進、調節池等を活用した効率的・有効的な対策を行うこととしておりまして、豪雨対策の推進に当たりましては、早期に安全性を向上すべき対策強化流域というのを定めておりまして、そちらに善福寺川が選定されておりますことから、調節池に必要な区域について都市計画決定を行うとされてございます。
次に、6ページの善福寺川の計画図をご覧ください。こちらが今回の計画の内容になってございます。6ページの計画図で、現在の善福寺川につきましては、既定の都市計画がかかっておりますので、そちらについて水色の線で示されてございます。川が区内を北西から南東に横断するように蛇行して、水色で示されてございます。
計画案の今回の調節池につきましては緑の線で示しておりまして、基本的に調節池につきましては、道路の下を使って造ると伺っておりますので、青梅街道や環八の部分などの地下にトンネルを掘りますので、緑色の線がそこに書かれている案となります。それに必要な部分を都市計画区域として新たに加える都市計画変更案となります。
また、図に赤く示しております立坑、これは調節池、地下式ですので、地下トンネルに恐らくシールドマシーンなんかを下すのに必要な、川から洪水を取り込むのに必要な立坑になるのですけれども、こちらにつきましては参考資料の資料1の8ページを参考にご覧ください。資料1の8ページにも拡大した図面が描かれています。
計画図の左上に赤く示しております女子大通りの原寺分橋付近でございますけれども、変更範囲を計画変更新線として赤色で示しておりまして、この範囲は区立の井荻公園ですとか複数の民有地部分に計画変更新線がかかっている案となります。
この赤い範囲内には、立坑、取水施設、管理棟なども整備する案となってございます。
トンネルは、緑色で示している部分がございますが、これは女子大通りから善福寺川へ曲がる箇所では、一部民有地の下を通る計画案となりますので、さらにそこから善福寺川の直下を、下流に位置する関根文化公園までトンネルを掘るような計画案となっています。
次に、参考資料の資料1の9ページもご覧いただきながら、議案6ページの計画図をご確認ください。関根文化公園の説明になります。
関根文化公園は上荻四丁目にございまして、計画変更新線を赤色で示してございます。関根文化公園のおよそ下流側半分ぐらいに線がかかっておりまして、善福寺川の下に掘るトンネルは、川の中から関根文化公園内に整備されている立坑などにつながる予定になっておりますので、そのような図となっております。
次に、参考資料、資料1の10ページをご覧いただきながらご確認ください。
善福寺川緑地付近の立坑などの計画案になります。赤色で示しております丸い部分が立坑で、川沿いに沿って緑色の長方形などで示されているのが取水口の計画位置となります。
調節池の概要については、参考資料の資料1の11ページに、原寺分橋下流、関根文化公園、善福寺川緑地の3か所におきましては、それぞれ立坑、取水施設、管理棟を設ける計画案となってございます。
次に、議案1の6ページの計画図にお戻りいただきまして、図面の左下に構造図としまして、トンネルの断面図を緑色で示してございます。トンネルにつきましては、土かぶりが40メートル程度となる計画図でございますけれども、大深度法の適用はせずに、民有地などの地下を通る箇所はトンネルの上下に緑色で四角く示した範囲で区分地上権の設定を行うといわれておりまして、区分地上権の設定が必要な箇所は、善福寺川緑地から五日市街道に出る辺りと、五日市街道と環八通りが交差する辺り、また、青梅街道から女子大通りに入っていく辺りと、女子大通りから善福寺川へ入っていく辺りの4か所と伺ってございます。
本議案のご説明は以上となりますが、参考資料の資料2といたしまして、善福寺川の上流調節池に関します意見・要望が区に届いておりますので、そういったものを添付しております。この計画については、一旦工事計画の進行を止め、住民への周知徹底、詳細説明を求める、そういった署名活動も行われておりまして、1万2,000筆を超える署名が集まっていると伺ってございます。
区に寄せられたご意見・要望では、グリーンインフラを活用した工法など、環境負荷が少ない選択をして検討してほしいなどのご意見も多くございます。そこで、本日は東京都が進めております「TOKYO強靭化プロジェクト」のグリーンインフラに関する資料を席上に配付してございまして、都では、河川や下水道の整備、流域対策のほか、家づくり・まちづくり対策としまして、グリーンインフラによる水害に強いまちづくりについても、豪雨対策の基本的な施策として挙げてございます。
区といたしましても、都と引き続き連携、協力しまして、雨水流出抑制対策としてのグリーンインフラの取組についても、区民の皆様のご意見や専門家の知見などを頂きながら、力を入れて取り組んでいきたいと考えているところでございます。
私からの説明は以上でございます。
(中略)
●中井会長
それでは続いて、富田委員でお願いいたします。
◆富田委員
まず、善福寺川流域での水害対策、特に河川への雨水、下水の流出抑制及び溢水対策の必要性は、私たち日本共産党は様々な機会を通じて訴えてまいりました。今回の計画変更に対して、一旦停止や見直しを求める住民の多くが同様の認識を示しています。しかし、東京都の拙速な進め方や、公園や緑への環境負荷、費用対効果等に多くの疑問が出されています。そうした点について確認していきたいと思います。
まず、東京都の進め方についてです。今回の計画素案の発表から案への格上げ、その後の計画決定までのスケジュールについては、実施主体である東京都の進め方が極めて拙速なものであると認識しています。昨年、2023 年8月下旬、東京都による素案説明会が開催され、そのわずか3か月後の11月30日には東京都議会の都市整備委員会で素案から格上げされた計画案が報告されました。今後、本年2月6日の東京都市計画審議会を経て、計画決定、告示と進められようとしています。
このような拙速な進め方をしているために、原寺分橋下流域の住民や関根文化公園、善福寺川緑地のロケット公園の利用者、近隣住民など、影響を受けると思われる方々の中で、いまだに計画案の詳細を知らない方が非常に多い状況です。
また、2023年10月発行の建通新聞では「都善福寺川調節池ECI、詳細設計を委託」との見出しで、都財務局は善福寺川上流調節池(仮称)工事に伴う詳細設計の業務の委託先をパシフィックコンサルタンツに決めたと報道されています。変更素案が住民に示された段階で、詳細設計業務の契約手続が進められていることについて多くの住民から疑問の声が出されています。
東京都のこうした拙速な進め方については、住民との対話を大切にしている現在の杉並区政の在り方とも異なると考えますが、区の認識はいかがでしょうか。また、住民との対話は尽くされていると区は認識しているのか、初めに伺います。
●中井会長
土木計画課長。
●安藤土木計画課長
本都市計画素案につきましては、昨年8月の都による都市計画素案の説明以降、東京都は関係する地権者などに対して個別に説明を行うなどの対応を行う中、地域からのご要望に基づきまして、10月や12月に説明会やオープンハウスを開催するなど、ご要望に応じて説明の場を設けていると伺っているところです。
この間、区に対しましても、この計画の内容についてご心配する声、また、先ほど言いましたけれども、都の進め方に対するご要望なども多く寄せられているという認識でございます。
●中井会長
土木担当部長。
土肥野土木担当部長 先ほど他の委員から、この計画案に対して区長の考えをというところでご答弁いたしました。その中では区民との対話というところを重視しています。ですので、短期間という部分であっても、東京都には分かりやすい説明などを区としても求めてまいりましたし、都自身もそれに応じながら、個別に地域での説明ということを開催している。ですので、区も改めて東京都と連携しながら、分かりやすい説明等を尽くしていきたいと考えてございますし、また、区民の分かりやすい説明が受けられる機会ということも併せて都に求めていきたいと思っています。
●中井会長
富田委員。
◆富田委員
ぜひ、東京都には、今まで以上に住民の方々の声をしっかりと聞く場をつくるなど、そういったことをやってもらいたいというのを伝えていただきたいと思うのです。
本日の都市計画審議会の後、1月20日に住民説明会が開催されるというお知らせを頂きました。この点は重要なことだと認識していますが、依然として住民との対話は十分ではないと考えております。特に、再三にわたり善福寺川の上流域での説明会開催を住民たちは求めておりましたが、実施されていません。
関根文化公園を利用する住民に聞き取りをしても、依然として情報を知らない方が多いです。
上流域での説明会が未実施であることなど、説明会の開催の在り方についても課題があると認識していますが、区の見解はいかがですか。
●中井会長
土木計画課長。
●安藤土木計画課長
東京都では、原寺分橋付近の地域の方から、ご要望に応じまして10月に一度地域向けの説明会というのを地域限定で実施しているところでございますけれども、1月20日の説明会は都開催でございまして、こちらにつきましては地域を絞らず、多くの方に計画を知っていただくために開催するものでございます。
今後実施されます説明会におきましても、周知方法を含め、検討していただく旨、都に伝えてまいりたいと存じます。
●中井会長
富田委員。
◆富田委員
変更素案の住民説明会以降、コミュニティふらっと成田での説明会など開催されましたけれども、内容として不十分だったという声が大半でした。まともな説明が尽くされず、素案の段階での説明が繰り返されることとなっております。
今後行われる説明会で、これまでの説明の焼き増しのような状況は改善されるべきだと思いますけれども、区の認識はいかがですか。
●中井会長
土木計画課長。
●安藤土木計画課長
東京都におきましては、都市計画案の説明会の段階において、まだ詳細な設計を行っていない部分が大変多いので、工事期間とか、工事の内容などは設計しないと出てきませんので、そういった詳細の説明は難しいと申しているような状況でございますが、これは区としましても、地域の皆様からの意向は、そういったものをちゃんと説明してほしいというものでございますので、地域の皆様方により分かりやすい説明となるよう求めてまいりたいと考えています。
●中井会長
富田委員。
◆富田委員
ぜひ、住民の気持ち、きちんと説明をしてもらいたいという声を届けていただきたいと思うのです。
先ほどの説明でもありました署名が多く集められていると。東京都知事宛の都民との対話を求める署名という形で、11月28日時点では1万2,800筆、現在では1万5,000筆を超えるとなっています。
また、岸本区長宛にも住民の方から要望書が寄せられているというのを昨年お聞きしておりますが、どのような声が寄せられているのか、改めて確認したいのと、そういった声を聞いて区としてこの間どういった対応をしてきたのか、区の姿勢を確認させていただきます。
●中井会長
土木計画課長。
安藤土木計画課長 本日の参考資料の資料2としておつけしました、区民の皆様からの主なご意見やご要望というのが、そこに記載のとおりの部分が多いものでございますけれども、ご指摘のとおり、昨年11月13日付で計画の見直しを求める要望書が区長宛にも届いておりまして、内容としましては、計画は否定しませんが、メリット、デメリット、そういったものを理解した上で、区民のために有効な治水対策なのかというのを流域の住民の皆様としてしっかりと判断していきたいと伺っていまして、そのためにも、そのときは都の都市計画素案の段階だったので、進行中の事業を一旦ストップして、事業の説明会を全区的にはやり直すということが必要だというご要望でございました。
都の都市計画素案を作成する段階から、流域の住民としまして参画して、行政とともによりよい対策に向けて力を尽くしていきたいというご要望なども頂いております。
また、12 月4日付で、本計画に対する署名活動に関する報告書というのが区長宛に届いているところでございまして、先ほどの一旦停止して住民と対話、代替案の策定を求めるものでございます。
区といたしましても、このような住民の皆様からの不安の声というのはしっかりと受け止めておりますので、そうした中で都に対して、地域住民への丁寧な説明ですとか、きちんとした情報の開示というのは求めているところでございます。
●中井会長
富田委員、そろそろおまとめください。
◆富田委員
住民の方からすると、3か月間で素案から計画案に格上げされると、すごいスピードで進んでいるのですね。さらに、原寺分橋付近の住民にとっては、今後の生活が大きく変わってしまうことがこんなに短時間で決められていいのかという思いもあると思います。そうした声をしっかりと区としても受け止めていただいているようですし、ぜひそうした住民の思いを都に届けていただきたいと思います。
ちなみに、今回の計画案についてですけれども、上空から地下までを都市計画範囲として定め、取水施設等のための用地として活用するとして都市計画に追加されましたけれども、併せて立体的な範囲で都市計画を定めることにより、区分地上権等が設定されることで大きな影響を受けると想定される住宅も出てきます。そうした戸数について、先ほど地域は説明がありましたけれども、軒数というのは区は把握されているでしょうか。一旦、それを確認させてください。
●中井会長
土木計画課長、どうぞ。
●安藤土木計画課長
件数については、東京都による、用地の測量とかが終わって、設計もされてトンネルの位置がどこかというのが分からないと、どのお宅にどの程度かかるというのが分かりませんので詳細な軒数は出てきておりませんけれども、区の住宅地図上で把握した範囲におきましては、25 軒程度、区分地上権というのは発生するのかと考えております。
(中略)
●中井会長
ありがとうございます。
では、富田委員、お願いいたします。
◆富田委員
様々な意見が出ているのですけれども、改めて確認をさせていただきたいというよりも、言いたいことがまず数点あります。
先ほど他の委員の質疑で、他の計画でも今回と同様の進め方をしたところがあるので今回は問題ないのだという質疑がありましたが、これは大変恐ろしい考え方だと思うのです。ほかの計画の進め方、それが間違っていたのではないか。そういうことをしっかりと見直していかなければいけないと思うのです。今、杉並区にはそれが求められているので、その視点を持っていただきたいと思います。
それから、民有地についてのお話もありました。命に関わる計画なので、そこはお願いすべきだというお話でしたが、たった3か月の説明で、住民たちの声も全く取り入れない形で進められる計画、これをどうやって私たちは民有地に住んでいる人にお願いをすればいいのですかね。
これはもともと進め方が間違っているのです。当初からこういった計画が出ていたのなら、住民の方々と一緒に考えて、ここはどうだろうか、あそこはどうだろうかと、そういった議論をしていかなければいけませんでした。
しかし、私、情報公開請求でこの間の取組、区と東京都のやり取りなども調べたところ、例えば取扱注意という書き方で書かれている資料が出てきたのです。「荻窪中学校・井荻小学校再編整備計画(案)」というものがありました。善福寺川上流調節池の用地として荻窪中学校敷地を使用することが示されており、荻窪中の改築、井荻小特別教室棟の減築、プール解体、井荻小敷地での荻窪中共用の校庭整備などなど進めることが検討されていたという資料です。
これはまず一体、いつ、誰が、どのようにこれを検討してきたのか。そういった経過等をまず具体的に示していただきたいと思いますし、この内容をとこまで区民に知らせてきたのか、そういうところをまず教えていただきたいのですけれども、お願いします。
●中井会長
土木計画課長。
●安藤土木計画課長
調節池の整備につきましては、先ほど来申し上げていますように、住民への影響を抑えるために、公共用地を活用して、川沿い、それが基本ということでございますから、この原寺分付近におきましては、最初に井荻公園とか、武蔵野市の下水も当然ありますけれども、井荻小学校、荻窪中学校という川沿いの施設、そういったところをこちらの検討に当たりまして、都と区で施設の改築なども視野に入れて、できるかできないかというのは検討した経緯がございますけれども、これは検討した内容なので、内部資料の段階でございますので、公表等はしているものではございません。
◆富田委員
この検討はいつ頃やられましたか。
●中井会長
土木計画課長。
●安藤土木計画課長
東京都が平成28年に神田川流域河川整備計画を改定した以降、そういう具体的というわけではないですけれども、川沿いの公共用地を活用した検討を都と区で、平成29、30年ぐらいからしておりますので、そういった中で場所などが関するお話もしており、ここについてはそういう話もしていたと認識しております。
●中井会長
富田委員。
◆富田委員
その段階からこういう大きな計画をつくっていこうとしていたのに、それが住民の生活に大きく影響していくだろうということも、東京都も杉並区も、行政ですから分かるはずですよね。そういうことも分かっていながら、この計画をある意味ひた隠しひた隠しにしてきた。学校運営にも重大な影響が生じかねないこういう状況を当時のPTAなどにも全く情報公開されていない。こういったことが続けられてきたというのが、大きな問題なのですよ。これは田中前区政下で行われてきたことです。
さらに関根文化公園についても情報公開請求で、先ほど少し話題に上がっておりましたが、前田中区政の下で進められていた資料が明らかになりました。
2020年、令和2年5月18日に、東京都建設局宛に田中良前杉並区長から、治水対策の推進についてという要望が出されて、その後、この要望に対して、同年8月11日に田中良前区長宛に、東京都の建設局から、善福寺川における河川施設整備に伴う杉並区有地の活用について依頼というものが出され、関根文化公園を調節池の適地として候補地としたいというものが出されております。同年9月1日には、田中良前区長から回答が示されて、関根文化公園を候補地として調節池の設計を進めることに了承いたしますというのが、当時もう出ているのです。
こうした情報公開の資料によって、前区政の下で、令和2年、2020 年の段階で、関根文化公園が調節池として使用されることが決められている状況だったのです。これも当時、公表されていないですよね。いかがですか。
●中井会長
土木計画課長。
●安藤土木計画課長
これについては、令和2年の4定のあたりですかね、こういった川沿いの公共用地を活用した検討をしていますというような答弁はしている認識がございます。
◆富田委員
関根文化公園と言っていましたか。
●中井会長
都市整備部参事。
●友金都市整備部参事
令和2年の第4回定例会で、当時私が土木担当部長だったときに、関根文化公園などの活用も想定されるということで答弁させていただいております。
●中井会長
富田委員。
◆富田委員
想定される。でも、このときには、区長はオーケーしていたわけですよね。
●友金都市整備部参事
以前から、この上流域の調節池については、早期に整備をしていただくように東京都に対して要望しておりましたし、その際には、早急に整備を進めるに当たっては、区の公共用地についても極力協力していきたいということでお願いしてまいりました。
その検討をする中で、関根文化公園についても活用の打診があって、それについては活用していただいて結構ですと。ただ、具体的にどういう形で使うというのはその時点では分かっておりませんでしたけれども、活用が想定されるということで、議会でも答弁してございます。
●中井会長
富田委員、少し論点を絞ってご質問願えますか。
◆富田委員
結局、民間の住宅地だけでなくて、こうした公園がなくなることも大変住民生活に影響が出るのですよ。児童館も潰されて、学校の校庭開放も少なくなって、子どもの居場所としてすごく重要な場所だったのに、それが削られる。それも、たった3か月間で。
もともと令和2年の段階でそういう可能性があるのだったら、こういう代替地を用意しますとか、そういう準備を進めるべきだったのですよね。そうしたこともできずに、素案が発表されて、たった3か月で住宅は出ていかなければいけない、こっちの公園、緑地はなくならなければいけない。これ、誰がどうやって納得するのですか、この近隣の方々は。こうした問題点をそのまま放置しては私はいけないと思うのです。
ほかにいろいろ聞きたいこともありますけれども、この問題は本当に重要なのですよ。なので、住民の方々が1万 5,000 筆、一旦止めてほしいという署名を出しているのですよね。治水対策に否定はしません。絶対にやらなければいけないことだから。でも、今のやり方はおかしい。だから、きちんと声を聞いてほしいし、きちんとした説明をしてほしい、対話をしてほしいというのが、この近隣の住民の方々の声だと思います。こうした声をないがしろにしてはいけないと思うのです。
ということで、最後に意見をまとめさせていただきますので、つくった意見を読ませていただきます。
今回の手続の進め方、今指摘したとおり、重大な問題があります。前田中区政の下、令和2年時点から東京都と杉並区の間で公園等の区有地を使用することが決められていながら、住民や議会に対しては何ら情報提供も、合意形成の努力もなかったと私は指摘いたします。突如として立ち退きを迫られる住民や、愛着を持って利用していた公園を奪われる住民、子どもの重要な居場所を奪われる住民にとっては、到底認めることができない進め方ではないでしょうか。
善福寺川緑地公園においても、短期間で多くの住民から見直しを求める声が寄せられており、1万 5,000 筆を超える署名の数が、その切実さを物語っています。
私たち日本共産党は水害対策の必要性は重々理解していますが、このような進め方をすることは、地域のコミュニティを破壊し、行政への不信を拡大することにもつながりかねないと、厳しく指摘するものです。
現岸本区政の下で住民に寄り添った対応を東京都に求め、協議の努力が行われていることは重大な点と捉えていますが、過去の経過を踏まえれば、東京都は計画を一旦立ち止まる必要があると考えます。
特に昨今グリーンインフラの必要性が注目されており、水害対策を進めるために、公園や緑地を創出していく従来の手法は抜本的に見直す必要があると考えます。杉並区にも関わりの深いグリーンインフラの専門的な知見を持つ学識経験者等、様々な方の力を借りて、住民との協働による実効性のある水害対策の検討を区に対して強く求め、意見といたします。
最後に、会長に対してお願いいたしますが、本日審議会で各委員から出された意見を東京都に届けるように区長に対して意見を付していただきたいと思います。ぜひ、前向きに検討していただくことをお願いして、私の発言を終わります。
●中井会長
どうもありがとうございます。これで議論のほうは締め切ってよろしいでしょうか。
ただいまご説明というか、ご意見もございましたけれども、これから採決をいたしますが、多数の意見を頂戴いたしましたので、賛同にしろ、否決にしろ、いずれにしても附帯意見という形を私が中心になって用意をさせていただきたいと思います。したがいまして、それを前提にこれから採決に臨んでいただければと思います。
採決の方法は挙手ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
●中井会長
それでは、採決いたします。議案1「東京都市計画河川第8号善福寺川の変更について」、原案に同意する方の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
●中井会長
賛成多数ですかね。一応事務局のほうで数えていただけますか。よろしいですか。
●三浦管理課長
挙手13名です。
●中井会長
ありがとうございました。賛成者多数でございますので、都市計画審議会としては原案に同意するということにさせていただきたいと思います。
ただし、先ほどお話ししたように、原案に同意する旨の答申としましても、意見を付させていただければと思います。
そこで、附帯する意見について、皆さん、恐らく今日中にいろいろなことを決めるのは無理だと思うのですけれども、何かご発言ございますでしょうか。それでは、村上委員、お願いいたします。
村上委員     今日は本当にいろいろな賛否両論のご意見を頂いたと思うので、これを審議会として答申するには、附帯意見をきちんと議論してということが必須だと思います。それで、その意見のつけ方ですが、内容をしっかり吟味していただいて、会長一任ということで、時間もないのでよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。
●中井会長
そういうご発言がございましたけれども、私のほうで案をまずつくりまして、
委員の皆様方にそれについてのご意見を、時間もない中ですが、お願いをできればと考えております。
最終的には会長一任ということにさせていただきたいのですけれども、そこに至るまで皆様の意見をなるべく反映させた形での意見書をつくりたいと考えておりますので、時間のない中ですけれども、ご協力をどうぞよろしくお願いをしたいと思います。
本日は誠に多様なご意見に基づきご議論いただきましてありがとうございました。
それでは、以上で本日の議題は終了でございます。時間を当初予定していたものからはかなりオーバーいたしまして、私の進行の不手際もありまして申し訳ございませんでした。
それでは、最後に事務局から連絡事項をお願いいたします。
●三浦管理課長
事務局から連絡ですが、その前に、先ほど挙手の人数、13 名とお答えしましたが、12名の誤りでした。申し訳ございませんでした。
本日も貴重な意見を賜りましてありがとうございました。
先ほど区からの東京都への回答についてということをご指摘いただきましたけれども、区からの回答に関しましては、委員の皆様にも改めてご報告させていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、次回の都市計画審議会についてご連絡いたします。次回は、3月を予定しております。日程が決まりましたら改めてご連絡いたしますので、よろしくお願い申し上げます。
また、課題となっております傍聴人の録音、撮影の規定につきましても、次回の審議会で議論いただきまして、3月では案まで決めていきたいと考えてございます。改めて委員の皆様にご意見をお伺いいたしたく存じますので、後日、委員各位にご連絡さしあげさせていただきます。よろしくお願いいたします。
以上でございます。

~~~~~~議事録抜粋終了~~~~~~

【情報公開請求で開示された資料】