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【議事録】富田たくの一般質問 2016年5月31日 杉並区議会第2回定例会 本会議

議事録

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質疑内容 : ①杉並区の震災対策について ②杉並区内の駅周辺の客引き、スカウト行為について
質問者 : 日本共産党杉並区議団 富田たく

2016年5月31日に行われた杉並区議会・本会議で僕が行った一般質問の議事録をアップしす。(議事録については時系列で管理を行うため、このエントリーの更新日は質問当日の日付にしております。更新日2016年9月20日)
※この議事録は富田たくの質疑を抜粋したものです。当日の全議事録はコチラから。
※動画での視聴はコチラから。
~議事録抜粋開始~

平成28年第2回定例会-05月31日-11号

○議長(井口かづ子議員)
以上で富本卓議員の一般質問を終わります。
20番富田たく議員。
〔20番(富田たく議員)登壇〕
◆20番(富田たく議員)
日本共産党杉並区議団の富田たくです。会派を代表いたしまして、1、杉並区の震災対策について、2、杉並区内の駅周辺の客引き、スカウト行為について質問いたします。
まず初めに、ことし4月に発生しました九州熊本地方の地震で犠牲になられた方々に対しまして謹んで哀悼の意を表するとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
日本共産党は、震災発生直後に対策本部を立ち上げ、現地の地方議員団と国会議員団が連携して被害の実態把握を行うとともに、被災した方々の支援活動に全党を挙げて取り組んでまいりました。
区内でも多くの皆様からたくさんの義援金や支援物資をお預かりし、現地の党議員団を通して自治体や被災者へ直接お渡ししています。改めて、区内で御協力いただきました皆様に、この場をおかりいたしましてお礼を申し上げます。今後もできる限りの支援活動を行うとともに、熊本地震の教訓をしっかりと学び、杉並区の防災力の向上に生かしていきたいと思います。
熊本県、大分県を中心として発生したこの地震は、4月14日と16日に震度7が2回、震度5弱以上の揺れは、5月24日までに18回、昨日5月30日時点で建物の被害は11万175棟、死者49名、行方不明者1名、負傷者1,736名、避難所での震災関連死と考えられる方は20名と、大きな被害が発生しています。
九州地方の活断層である布田川断層と日奈久断層の2つが連動して発生した地震と言われており、日本の観測基準の最大である震度7が2回も観測されたのは、1885年以降の地震観測史上初めてのことで、これほど大きな揺れが多発することは、今まで想定されておりませんでした。
今回の震災で、1981年以前の旧耐震基準で建てられた建物の多くに被害が発生しており、住宅など建物の耐震化の重要性を改めて浮き彫りにしました。東京でも大規模な首都直下型の地震がいつ発生するかわからないと言われる状況であり、杉並区内の耐震化が急がれます。
区内の旧耐震基準で建てられた住宅などの建物の耐震化対策の取り組みに区としてもより一層力を入れるべきと考えますが、区の見解を求めます。
1923年の関東大震災を受け、その翌年に、世界に先駆けて施行された日本の耐震基準ですが、当初は震度5程度に耐えられるようにとつくられました。これがいわゆる旧耐震基準で、その後1981年には、震度6強以上の地震でも倒れないようにと新たな基準が設けられました。特定地域を指して耐震化を進めるという言葉を使うときは、旧耐震基準でつくられた建物について、耐震補強を行うか、新耐震基準で建てかえを行うかということを指し、旧耐震基準の建物を減らしていくという意味が一般的です。
さて、熊本地震では、この新耐震基準で建築された耐震化された建物にも被害が発生しており、住宅だけでなく、公共施設への被害が問題となりました。前震、本震と2度の震度7の揺れを記録した熊本県益城町の役場庁舎を初め、その近隣自治体を中心に、熊本県内45市町村のうち5市町で本庁舎が閉鎖となる被害を受けています。1度目の震度7の揺れで被害を免れても、2度目の震度7や、続く大規模な余震によってダメージが蓄積し、新耐震基準の建物でも倒壊、半壊などの被害を受けました。
また、自治体の庁舎だけでなく、避難所と指定されていた小中学校でも被害があり、避難所として開設できない状況が発生しています。災害発生直後に重要な役割を担う庁舎や避難所が使えないとなれば、被災した住民のその後の避難生活に大きな影響が出てしまいます。
耐震化した避難所などでの被害は、建物を支える骨組み、いわゆる躯体には影響がなく、倒壊の危険性はないものの、天井や外壁などの非構造部材に被害が発生し、建物自体が使用できないケースも発生しております。建物の耐震化は済んでいるが、非構造部材の耐震化が行われていなかった、もしくは想定以上のダメージで非構造部材に被害が発生したという状況です。
文科省では、学校施設の非構造部材の耐震化の重要性を学校設置者や教員に理解してもらい、その耐震化を進めてもらおうと、2010年に学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブックを策定し、昨年3月には改訂版を発表しております。
杉並区でも、震災救援所となる区立小中学校などの震災時に重要な役割を持つ施設について、非構造部材の総点検とその耐震化を早急に行う必要性があると考えますが、区の見解を求めます。
また、震災救援所が使用できない場合も考慮し、震災救援所補助代替施設のさらなる確保や震災救援所の増設を求めますが、区の見解はいかがでしょうか。
私たちは過去の震災からさまざまな教訓を学び、それを今後発生するだろう災害に生かしていかなければなりません。耐震化の必要性や不燃化の取り組みなども、過去の関東大震災や阪神・淡路大震災などの教訓から学んだことだと思います。今回の熊本地震からの教訓は何でしょうか。学術的な調査研究は今後専門家が行っていくことになりますが、私たち素人から見ても大きな教訓となるのは、震度7クラスの揺れが短期間に2度も発生し、その後も大規模な揺れが何日も続くという群発型の震災に対する備えが必要というものではないでしょうか。
もともと地震が少ない地域と思われていた熊本ですが、行政の地域防災計画では、震災に対する被害想定で、今回の地震と同じ布田川・日奈久断層帯の連動地震で、震度7、マグニチュード7.9の大地震が想定されておりました。ただし、前震、本震で震度7が2回も発生することは想定していませんでした。日本の観測史上初めてのケースなので、被害想定に反映されていないことはしようがありません。しかし、今後熊本と同様の群発地震が発生し、大きな被害が発生しても、想定外だからしようがないとするわけにはいきません。
東京都の首都直下地震の被害想定についても、震度6や7などの大規模な揺れが複数回発生した場合を想定した被害を算出し、防災計画に反映させるべく検討を進めるべきと提案したいと思います。これは東京都に対する働きかけなどを行い、都と連携していく必要性があると考えますが、区の見解を求めます。
実際に首都直下地震が発生した場合を想像してみてください。現在東京都が想定している規模の震災であったとしても、今回の熊本地震で、私たちは群発型の地震の怖さをテレビなどで目の当たりにしていますので、大規模な余震の発生の心配から、想定する以上の方々が、身近な公園や学校の校庭などオープンスペースに一時的に退避するのではないでしょうか。そういう意味でも、住宅密集地が多い杉並区では、小さな公園や学校の校庭などのオープンスペースはとても重要です。この点からも、杉一小学校複合化による屋上校庭計画案や公園の転用など、区内のオープンスペースが減少する施策は、区の防災力の低下につながると指摘します。
また、区立小中学校が杉並区では震災救援所となり、その運営は、学校の教職員、区の職員、地元の防災会の3者で連携して行うことになりますが、施設一体型小中一貫教育校設置のために行われる学校統廃合では、学校跡地を震災救援所として残しても、その運営から教員が欠けることになります。これでは震災
救援所の運営に大きな支障が発生するのではないでしょうか。
こういった防災力の低下が懸念される施策や計画案については見直しが必要と考えますが、区の見解を求めます。
さて、熊本地震を受け、首都直下地震の被害想定の見直しの必要性については先ほど言及いたしましたが、現状の首都直下地震の被害想定には一定の問題があることを指摘しなければなりません。
2012年、東京都防災会議は、東日本大震災を受け、新たな首都直下地震等による東京の被害想定報告書を取りまとめました。その中では、「東日本大震災の経験を踏まえ、」「可能なかぎり、実際に起こりうる最大の被害像の把握に努めた。」と記されており、被害想定の前提条件となるマグニチュードについては、2006年に発表された想定と変わらないものの、東京の最大震度を6強から震度7へ引き上げ、被害を算出しています。より大規模な震災を想定するように見直された被害想定ではありましたが、実は、一部前提条件が2006年のものよりも低く見積もられてしまっているのです。それは、地震が発生した際の風の強さ、風速です。
関東大震災では、台風並みの強風によって火災の延焼被害が大規模化し、多くの人命を奪いました。当時の麹町気象台での記録で、発災当日の19時には風速13メートル、20時には風速18メートルという強風となり、最大風速は22メートルが記録されています。こういった強風による被害の拡大を考慮し、2006年の被害想定では、最大風速15メートルと想定して避難者数や死傷者数を計算しておりました。しかし、2012年の被害想定の見直しでは、その最大風速の前提条件が15メートルから約半分の8メートルへ引き下げられてしまいました。前提となる風速を引き下げたことは、最大の被害像の把握に努めるという基本方針から外れたものと指摘せざるを得ません。この引き下げられた前提条件の被害想定のままで本当によいと考えているのか、区の認識を伺います。
また、避難者の想定についても、一定の問題点を指摘しなければなりません。現状の被害想定では、発災後1日が経過した際の杉並区内の避難者は、最大で17万6,000人以上と想定しています。そして、そのうち行政が設置する避難所に避難する方々を避難生活者と定義し、避難者全体の65%、約11万5,000人前後と見積もっています。
杉並区はこの被害想定に基づき、震災救援所等の収容人数は、避難生活者約11万5,000人分の準備をするにとどまっております。では、避難者のうち避難生活者を除いて、残り35%、約6万人の方々はどうなるのでしょうか。
東京都の被害想定では、疎開する方々と想定し、被災地域以外の親戚や知人を頼る方、区内でも避難場所と指定されていない駐車場や公園、ホテルなどに避難する方などとされています。この根拠は、1996年及び2006年に中央防災会議や東京都が行ったアンケート結果によるもので、都の資料によると、2006年に行った被害想定における都民アンケートの結果、「自宅付近で被災した場合、あなたはどこに避難しますか。」との問いに対し、「避難所」との回答が68.3%と一番多く、次いで、「被災地域以外の親戚・知人宅等への疎開」が20.1%、公園、広場、路上の車両等の「屋外」と回答したのは6.0%、「ホテル等」との回答が2.6%となっています。これを受け、東京都は、避難者のうち35%は避難所に避難しないと想定しているわけです。
しかし、実際に首都直下地震が発生した場合を想像すると、鉄道などの交通機関は使用できないことは容易に想像できますし、主要幹線道路は震災時緊急輸送道路に指定され、車での避難は一定の規制がされることになるので、思ったように疎開行動がとれるかどうかはわかりません。というよりも、被災地域以外に自力で移動することは困難な状況になるでしょう。屋外への避難等は、結局区内での避難生活になるわけですし、ホテル等の宿泊施設は、震災発生直後から新たな宿泊客を受け入れ可能かが疑問です。結果的には、疎開すると見積もっていた約6万人もの方々も、その大半は区内での避難生活を余儀なくされるのではないでしょうか。
以上の観点から、現状の被害想定で避難者の65%分しか震災救援所等を用意しないとの考え方ではなく、最大の避難者17万6,000人の方々を受け入れられる準備が今後必要と考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
次に、福祉救援所についてですが、この点については、きのうの他会派の方の一般質問でも取り上げられておりましたので、重複しないようにしたいと思います。
現状、区内の福祉救援所は19カ所との報告を受けていますが、各施設5名から10名程度の収容人数で、全体としても200名前後の受け入れが想定されています。高齢者、障害者、妊婦や乳幼児など、特に配慮が必要な方々のための避難先としてはまだまだ足りていないというのが現状ではないでしょうか。
福祉救援所、一般的には福祉避難所と言われますが、その設置運営について、2006年に赤十字社から福祉避難所設置・運営に関するガイドラインが発表されました。そして、ことし4月には、東日本大震災の教訓を考慮した改訂版が内閣府から発表されています。ガイドラインの冒頭で、「東日本大震災では、犠牲者の過半数を高齢者が占め、また、障害者の犠牲者の割合についても、被災住民全体のそれと比較して2倍以上に上った」とし、福祉避難所の重要性を訴え、平時の取り組みなくして災害時の緊急対応を行うことは不可能であるとの認識に立って、行政を中心に、平時から取り組みを進めてほしいと呼びかけています。
改めて福祉避難所の拡充と日常的な訓練が必要と考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
熊本地震では、通常の避難所での避難生活でもさまざまな課題が上がっていました。中でも、食料や飲料水などの支援物資が行き渡らない状況が報道されておりました。支援物資の輸送、分配についても他会派の方の質問で取り上げられていましたので、1つだけ確認いたします。
発災直後の混乱した状態で、物資の輸送、配布手段を確保することは大変難しいことだとは思いますが、輸送、配布ルートの再確認と、実質的な訓練を日常的に行う必要があると考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
震災救援所の課題として熊本地震でも報道されていたのは、避難所のごみ問題です。震災直後は民間事業者の収集も滞り、避難所で出された生活ごみがその一角にうずたかく積まれている映像が印象的でした。衛生面での課題、またにおいの問題など、避難生活にとって大きな懸念として改めて認識しました。
震災救援所等のごみ問題について、区の対策はどのような検討が行われているのか、お答えください。
さて、熊本地震では、指定避難所以外の公園や駐車場などで車中泊やテント泊を行っている自主避難者への支援が課題となりました。行政側の自主避難場所の把握が難しく、支援物資が行き渡らない状況、食料などを求めて避難所に行っても、その食料が避難所に滞在している人数分しかなく、支援物資を分けてもらえないなどの課題です。
この課題は、5年前の東日本大震災でも指摘されておりました。当時、私たち日本共産党杉並区議団も被災地ボランティアへと何度も通いましたが、区内からお寄せいただいたさまざまな支援物資、生野菜などの支援物資を被災地に運び、食料は現地で小分けにして、自宅で被災生活を送っている方々に直接お配りしましたが、これが大変好評だったと記憶しています。
また、公民館や仮設住宅の一角をお借りして、さまざまな支援物資を提供する青空無料バザーも行いましたが、近隣在住の方も避難所で生活を送っている方も分け隔てなく利用していただき、必要な支援物資を自由に選んでお持ちいただきました。この取り組みも好評でした。
こういった取り組みを参考に、区としても、自主避難者など震災救援所に避難していない方々への支援を検討しなくてはいけません。
杉並区の防災計画では、震災編第2部第10章の「備蓄食糧の配布」の項目で、「給食を必要とする自宅残留被災者、補助・代替施設収容者等についても、原則として最寄りの震災救援所で配布する。」と明記されています。自主避難者については、自宅残留被災者と同等の扱いと考えるのがここでは妥当ですので、震災救援所で食料の配布を受けられると認識して問題ないと思いますが、実際にそのように運営するためには、震災救援所のスタッフとなる方々にこのことを知っていただく必要があります。また、自主避難者、自宅残留被災者の方々にも食料配布が受けられるとお伝えできるかどうか、さらには、震災救援所の備蓄食料が自主避難者、自宅残留被災者となっている方々の分まであるかどうかということも考慮しなければなりません。
以上のことを踏まえ、自主避難者の方々にも格差なく支援物資が届くよう今後検討が必要と考えますが、区の認識はいかがでしょうか。
続いて、杉並区の新たな取り組みである感震ブレーカー設置支援制度について確認させていただきます。
阪神・淡路大震災では、発災後に出火した火災によって延焼被害が大規模化しました。また、発災後数日が経過しての出火もありました。後の調査で、電気の通電に伴う電気火災が主な原因だったことがわかり、その教訓から、地震の揺れに反応してブレーカーが自動的に落ちる感震ブレーカーが効果的と言われております。
私たち日本共産党杉並議団は、2012年の第2回定例会で、感震ブレーカーの杉並区内での普及の必要性を区議会でも先駆けて提案し、杉並区の助成制度とするよう粘り強く訴えてまいりました。ことし4月から設置支援制度が実現したことについては、大変うれしく思っていますし、他会派の方々も議会報告の紙面などでかなり大きく取り上げていただいているようで、防災施策の向上の一助になれて幸いです。
この制度の導入で、火災延焼危険度の高い特定地域において、2,000円の実費で感震ブレーカーを設置できることになりました。4月から6月までの期間限定で、先着3,000世帯までとなっています。先日問い合わせたところ、申し込みは5月半ばで300世帯余りだと聞きました。発災時の電気火災を予防するためには、区民の皆様にこの制度をもっと活用していただくことが必要です。制度の周知の強化と、実施期間の延長などの検討が必要と考えますが、区の認識はいかがでしょうか。
続きまして、区立施設のエレベーターの耐震化と閉じ込め防止対策についてです。
以前も何度か、エレベーターの閉じこめ防止対策については取り上げさせていただきました。地震で停止しても自動的に最寄りの階に移動し、ドアが開閉される機能の必要性とともに、万一閉じ込め事故が発生したときのために、エレベーター内に飲料水や救急セットを入れた救急備蓄ボックスの設置などを求めてきました。
2014年の決算特別委員会で質問した際は、区営住宅や小中学校を含め、区立施設全体で123台のエレベーターが稼働しており、そのうち28台が最新の適合基準に合致しているとのことでした。また、それら以外についても、地震の揺れでエレベーターが停止しても、大地震と停電が直ちに起こらなければそれほど危険ではないと認識しているとの答弁を区からいただいております。
杉並区の首都直下地震等による被害想定では、東京湾北部地震でマグニチュード7.3が発生した場合、区内は震度6弱から6強の揺れとなり、停電は区内で9.9%から最大で25.2%に及ぶと想定されています。25%という数字は、大規模な火災も発生した状態を想定しているので、発災直後の停電発生率とは言えないと思いますが、区内の建物の少なくとも1割近くは停電となることが、被害想定からも予想できます。
最新の適合基準に合致していない区立施設のエレベーターは95台余り、そのうち1割というと、単純計算で、10台は停電による閉じ込め事故が発生する可能性があることになります。停電となった施設に非常用電源があれば救出は可能と考えられますが、全ての施設に非常用電源が設置されているわけではありません。大規模震災で一定の割合で停電することが想定されている以上、エレベーターの閉じ込め事故が発生しないとは言えないと考えます。
区立施設のエレベーターについて、最新の適合基準への更新も急務ですし、エレベーターの中に簡易トイレや飲料水などを備えた救急備蓄ボックスを設置する必要性があると改めて考えておりますが、区の見解を伺いまして、防災関連の質問を終わります。
続きまして、駅周辺の客引き、スカウト行為についてです。
先日、区内在住の男性から、高円寺駅周辺での迷惑行為についてお話を伺いました。その男性の娘さんが、高円寺駅の改札を出て自宅に帰ろうとした際、若い男性から声をかけられたそうなのですが、これがいわゆるキャバクラへの勧誘だったそうです。勧誘を断り、歩き出しても横についてしつこく誘われ、大変不快で不安な思いをしたとのことでした。父親の男性からは、高円寺駅の迷惑行為をどうにかできないのかとのお話でした。
私も、高円寺駅では迷惑行為について気になっておりました。週末の夜など、高円寺駅から自宅に帰る際、必ずと言っていいほど客引きに声をかけられます。こういった風俗店のスカウト行為、客引き行為は、東京都の公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例、いわゆる迷惑防止条例の第7条で禁止されております。
また、余談ではありますが、客引き行為、スカウト行為を行う者の歩きたばこやそのポイ捨てなど、大変マナーが悪く、住民にとって迷惑ではないでしょうか。
杉並区としてこういった状況をどのように認識しているか、まず確認いたします。
新宿区や渋谷区などでは、こういった行為に対して、区独自の条例をつくって対応しているようですが、杉並区内での条例化については、その必要性から議論が必要ですが、少なくとも東京都の条例で定められているのですから、ルールは守ってもらわなければなりません。
区としても警察などと連携し、駅前の迷惑行為防止対策の強化が必要と考えますが、最後に区の認識を確認させていただきまして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○議長(井口かづ子議員)
理事者の答弁を求めます。
都市整備部長。
〔都市整備部長(渡辺幸一)登壇〕
◎都市整備部長(渡辺幸一)
私からは、区の耐震化対策の取り組みに一層力を入れるべきとの御質問にお答えいたします。
熊本地震の発生以降、区民の皆様からの耐震化に関するお問い合わせや相談が急増しており、先日、区役所の1階ロビーにおきまして、被災建築物応急危険度判定員として熊本に派遣をいたしました職員が被災地で撮影した写真の展示や、また耐震相談会を臨時に開催いたしました。当日は多くの区民の皆様から御相談があり、耐震化に関する機運の高まりを感じたところでございます。この機を逃すことなく、より一層の普及啓発に取り組み、区内建築物の耐震化を促進してまいりたいと存じます。
なお、写真展示につきましては、本日まで2階の区民ギャラリーで行っておりますので、ぜひごらんください。
私からは以上でございます。
○議長(井口かづ子議員)
政策経営部長。
〔政策経営部長(白垣 学)登壇〕
◎政策経営部長(白垣学)
震災救援所となる施設の非構造部材の耐震化のお尋ねですが、東日本大震災でも多数の被害が発生して問題となった屋内運動場のつり天井の点検を平成25年度に行いまして、つり天井が設置されていた7校について、平成27年度までに改修工事を終えたところでございます。
つり天井以外の照明やバスケットゴール等の非構造部材につきましては、今年度総点検を行いまして、計画的に耐震化に取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
○議長(井口かづ子議員)
危機管理室長。
〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕
◎危機管理室長(寺嶋実)
私からは、初めに、杉並区の震災対策についてお答えをいたします。
震災救援所の補助代替施設の増設についてのお尋ねですが、震災救援所65カ所のほか、補助代替施設として、現在、区内の都立、私立の高等学校と私立大学を指定しております。これらは、都の首都直下地震等による東京の被害想定をもとに定めたものでございます。杉並区地域防災計画は国、都の計画と整合性をとることとされておりますので、その改定に合わせ、適宜見直しを行ってまいります。
次に、救援物資の配布に関するお尋ねですが、必要な物資を滞留することなく迅速に被災者の方に配布することは重要なことです。このたびの熊本地震では、報道によりますと、避難者数や避難場所についての情報収集が十分でなかったこと、救援物資の受け入れ、仕分け、搬送手段の確立が当初十分でなかったと伝えられております。こうしたことを踏まえ、迅速、正確な避難者情報の収集や搬送体制の整備などの対策を検討してまいります。
また、熊本地震における自動車やテントによる避難者が多くいらっしゃいますが、1つの要因として、大きな余震が長期間にわたり発生したことも影響があると捉えております。区では、こうした避難者、震災救援所等に避難せず自宅にとどまる方々についても、震災救援所に届け出をいただき、この情報に基づき、必要な食料、生活必需品を提供してまいります。
次に、被害想定の見直しに関するお尋ねですが、今後、国による平成28年熊本地震の十分な検証を経て、首都直下地震等による東京の被害想定の前提条件や杉並区の被害想定が見直された場合に、地域防災計画に反映してまいります。
また、平成24年発表の被害想定は、都内の気象データから、実情に即した最大風速を用いております。また、火災被害は発生時刻、季節、気象によって状況が大きく異なることから、冬季の18時という条件のもと、被害想定をしたものです。したがいまして、客観的なデータや最新の科学的知見に基づき見直されたものと認識してございます。
次に、オープンスペースの減少と震災救援所の運営に関するお尋ねですが、震災救援所となる区立小中学校では、校庭のほか、体育館、校舎等の利用可能スペースを最大限に利用して運営してまいりますので、屋上の校庭化で防災力が低下するとは考えておりません。
次に、学校統廃合に伴い、教員等が欠けて人手不足になるとの御指摘ですが、震災救援所の運営は、防災会、町会・自治会、区職員等の共同により運営を行っていますが、不足する人員の確保については、他自治体派遣職員、ボランティア等も含め、支援に支障が生じないよう努めてまいります。したがいまして、お尋ねの施策や計画案を見直す考えはございません。
次に、被災者を全員震災救援所に受け入れる準備が必要との御指摘でございますが、平成24年の被害想定は、阪神・淡路大震災直後のアンケート調査結果と、平成18年東京都被害想定において行った都民アンケートの結果を踏まえ、中央防災会議、東京都防災会議で避難率65%と設定したもので、この想定は合理的な数値であると認識しております。
次に、震災救援所におけるごみについてのお尋ねですが、震災救援所では大勢の人が生活するため、大量のごみが発生し、悪臭や衛生上の問題も危惧されます。そのため、震災救援所運営管理標準マニュアルで、当初からごみの分別の徹底とごみ箱、ごみ集積所を設置するよう定めているところです。
なお、清掃事業の復旧に合わせ、衛生上、速やかに処理を必要とするごみから優先的に収集・運搬を開始いたします。
次に、感震ブレーカーに関するお尋ねですが、感震ブレーカーの設置申込台数は、5月20日現在、387台となっております。これまで、区公式ホームページや「広報すぎなみ」に事業内容を掲載、杉並区町会連合会への事業説明と町会・自治会でのチラシ回覧、防災市民組織へのチラシ配布を行っております。今月からは、起震車に感震ブレーカーを取りつけるなど、震災時の電気火災を防ぐための啓発と事業案内を行っております。このほかに、杉並区小規模建設事業団体連絡会の事業や防災訓練、地域のイベント等の機会を捉えて周知を図るとともに、同時に行っております防災用品あっせん事業を通して、震災時の電気火災の防止に取り組んでまいります。
なお、申込件数の状況によっては、期間延長を判断してまいります。
防災対策の最後になりますが、区立施設のエレベーターの閉じ込め防止対策に関する御質問にお答えいたします。
区のエレベーターは、総数140台のうち36台が新基準の閉じ込め防止機能を備えております。それ以外の旧基準のものも、地震時の管制機能で一定の防止策はとられておりますが、なるべく速やかに新基準に移行すべきとの認識から、エレベーターの更新時を捉えて、計画的に閉じ込め防止対策を講じているところです。
救援ボックスの設置については、区の施設は総じて低層のものが多く、施設の職員対応も可能なこともありますが、今後、施設の状況に応じて対応を考えてまいりたいと存じます。
私からの最後になりますが、区内の駅周辺における呼び込み等に関するお尋ねにお答えいたします。
御指摘の高円寺駅周辺の一部で店舗利用の呼び込み行為等があることについては、区としても承知しております。東京都の迷惑防止条例で規制する執拗な客引き行為や勧誘行為がある場合には、警察署への通報を御案内しております。
区ではこれまでも、地域の安全・安心を高めるため、地域の防犯自主団体、警察署と情報共有を図り、合同パトロールを実施しているところです。引き続き地域や関係団体との連携を図り、安全・安心でにぎわいのあるまちづくりを進めてまいります。
私からは以上でございます。
○議長(井口かづ子議員)
保健福祉部長。
〔保健福祉部長(有坂幹朗)登壇〕
◎保健福祉部長(有坂幹朗)
福祉救援所に関する御質問にお答えします。
現状では、民間の福祉施設との協力体制を整えながら、実行計画に基づき、協力施設をさらにふやして絶対数の確保に努めていくとともに、協定を締結している施設におきましては、発災時の対応に関するより詳細なルールづくりを進め、具体的な想定に基づいた訓練の実施等について取り組んでまいります。
私からは以上です。
○議長(井口かづ子議員)
20番富田たく議員。
〔20番(富田たく議員)登壇〕
◆20番(富田たく議員)
御答弁ありがとうございました。
まず、震災救援所となる小中学校の非構造部材の総点検につきましては、今年度行うというふうにお話がありました。今年度行って、その状況を見て、対応が必要なら対応していくということだと思うんですが、一定の期間というのも考えていかなければいけないと思いますが、一体どれぐらいまでに最低でも非構造部材の対応を行っていくのか、お答えいただければと思います。
また、小中学校での総点検なんですけれども、そこの地域に実際に住んでいて、その震災救援所を使う住民の方々と一緒に、住民参加型で総点検をしてみるというのはいかがでしょうか。区として気づかなかった点や、また住民としてここが不安なんだけどという部分について、区からの説明がその場でできたりということで、住民との連携もできると思いますので、検討を求めますが、区の見解はいかがでしょうか。
耐震化対策の取り組みについては、より一層普及啓発に取り組んでいくという答弁がありましたので、ぜひここは頑張っていただきたいと思います。
避難生活者と疎開者、65%と35%の割合についてなんですけれども、アンケートの結果だから合理的だとおっしゃっていますが、アンケートはアンケートで、そのときどうしていけばいいか、被災していない状態で答えているものです。実際に被災した場合については、その方々が本当に回答したとおりの行動がとれるかどうかというと、そうはならないというのを先ほど僕は指摘したつもりなんですけれども、その点については区はどう思われているのか、確認させてください。
また、最大風速が15メートルから8メートルに引き下げられて、首都直下地震等の被害想定が改定されてしまいましたが、この点についても、東京都や国の施策に準じるんだ、被害想定に準じるんだというようなお話でしたけれども、本当にそれでいいのでしょうか。先ほどもお伝えしましたが、最大の被害像把握に努め
るという基本方針から外れているということ自体、都に対して指摘を区から上げるべきではないでしょうか。この辺について、改めて区の認識を伺います。
そして、小学校の屋上校庭化案や学校統廃合の後の震災救援所、教員がいなくなっても防災力は下がらない、屋上が校庭になっても防災力は下がらないというふうにおっしゃっていますが、先ほど他の方々に答弁がありました先入観の呪縛という言葉、それを改めて区に対して私は考えてほしいなと思います。
本当にオープンスペースって必要なんですよね。蚕糸の森公園地域や高円寺南、阿佐谷南地域などは、少しでもオープンスペースをつくっていこうというふうな防災の取り組みがされております。ぜひそういった観点をしっかりと見て、見直しも考えていただきたいと思いますが、区の認識はいかがでしょうか。
いろいろ言いたいことがありましたが、一応持ち時間が切れてしまったので、以上としたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(井口かづ子議員)
理事者の答弁を求めます。
政策経営部長。
〔政策経営部長(白垣 学)登壇〕
◎政策経営部長(白垣学)
私からは、富田議員の再度の質問のうち、非構造部材の点検に関するお尋ねにお答えをいたします。
まず、総点検を踏まえてどれくらいの期間で改善を行うのかというお尋ねがございました。これにつきましては、今年度の総点検の結果を踏まえまして、全体の計画を立てて段階的に取り組んでいく考えでございます。ただし、緊急性の高いものについては、今年度の予算で対応させていただきます。
それから点検につきまして、住民参加で行ってはどうかという御提案がございましたが、やはり点検は専門的な見地から区の職員が行ってまいりたいというふうに考えてございます。
私からは以上でございます。
○議長(井口かづ子議員)
危機管理室長。
〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕
◎危機管理室長(寺嶋実)
富田議員からの再度の御質問にお答えいたします。
被害想定の前提となります風速の話、それから避難率65%についてお尋ねをいただきました。
御答弁申し上げましたのは、一定の条件のもとの被害想定を定め、それに対して備えをしていくということは、防災対策を構築する上で大変重要な視点であるというふうに思っております。
また、御指摘のとおり、災害は想定されたとおりには起こらないというのが私の認識でもございます。いざ発災があったときには、避難者の方を全て受け入れ、対応するように、区としても対策を整えているところでございます。
また、オープンスペース、それから震災救援所の運営に係る人員についてのお尋ねがございました。
震災救援所のスペース等を考える際に、利用可能なものとしては、校庭、体育館、校舎の中から、安全を確認し、利用可能なスペースを全て震災対策に当てていくということを考えてございますので、一概にこういった屋上化が防災力の低下につながるものではないというふうにお答えをさせていただいているところでございます。
また、人員につきましては、先ほどの災害想定にもかかわりを持つというふうに思いますが、震災の規模によっては、当初計画をした人数で足りない場合もあると思います。そのための備えとして、他の自治体であったり、あるいはボランティアの派遣というものの手段を講じながら、そういったさまざまな震災対策を着実に行っていく、そういう体制を組んでいるところでございます。よろしくお願いいたします。
○議長(井口かづ子議員)
以上で富田たく議員の一般質問を終わります。
ここで午後1時まで休憩をいたします。
~議事録抜粋終了~