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【議事録】富田たくの一般質問 2015年11月20日 杉並区議会第4回定例会 本会議

議事録

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質疑内容 : ①和泉地域・高円寺地域の学校統廃合、及び施設一体型小中一貫校の問題点について ②杉並区内における生物多様性保全施策の拡充について
質問者 : 日本共産党杉並区議団 富田たく

2015年11月20日に行われた杉並区議会・本会議で僕が行った一般質問の議事録をアップしす。(議事録については時系列で管理を行うため、このエントリーの更新日は質問当日の日付にしております。更新日2016年2月23日)
※この議事録は富田たくの質疑を抜粋したものです。当日の全議事録はコチラから。
※動画での視聴はコチラから。
~議事録抜粋開始~

平成27年第4回定例会-11月20日-22号

○議長(はなし俊郎議員)
以上で松尾ゆり議員の一般質問を終わります。
20番富田たく議員。
〔20番(富田たく議員)登壇〕
◆20番(富田たく議員)
日本共産党・富田たくです。区議団を代表しまして、1、和泉地域・高円寺地域の学校統廃合及び施設一体型小中一貫校の問題点について、2、杉並区内における生物多様性保全施策の拡充について、以上2項目について質問いたします。
まずは、和泉地域・高円寺地域の学校統廃合及び施設一体型小中一貫校の問題点についての質問です。
この間、杉並区は、小学校と中学校の教育を連携させるという名目で、小中一貫教育を導入しています。和泉地域では、一貫教育をさらに進めるためと、和泉小学校と新泉小学校、和泉中学校の計3小中学校を統廃合し、施設一体型の小中一貫校、和泉学園が本年4月から開校されました。
我が党区議団はこれまで、区が進める施設一体型小中一貫校の方針は、教育環境の向上という自治体の責務を投げ出し、教育費削減を目的とした新たな学校統廃合の手段であることを厳しく指摘してきました。小学校と中学校では日常的な生活の時間帯が異なり、教育観も全くと言っていいほど違います。体の発達は小学1年生と中学3年生では大きな差があり、小学生と中学生を1つの学校施設に押し込めることに無理があるのです。
4月から開校した和泉学園ではさまざまな問題が発生していることが、この間の保護者、児童生徒からのヒアリングや当区議団で行った和泉学園内学童クラブの視察などで明らかになってきています。施設一体型の小中一貫校としてつくられた和泉学園の校舎は、大きく分けて小学部棟と中学部棟の2つのエリアに分かれています。中学部棟は旧和泉中学校の校舎を改築し、その西側に小学部棟が新設されて連絡通路でつながっています。設計段階から小学生と中学生を2つのエリアに分けてつくられているのですが、そもそも2つのエリアに分けなければ学校が運営できないのであれば、わざわざ施設一体型の小中一貫校をつくる必要はありません。しかし、学校統廃合を進めたい区は、施設一体型の小中一貫校にこだわり、どうしても校舎は1つにするとして、教育環境の悪化などを無視して設計を進めてきました。
このエリア分けも、厳密には分かれていない部分もあるのです。小学部棟には中学生が柔道の授業で使う武道場が、中学部棟には小学生も使用する音楽室がつくられています。小学校と中学校の授業時間が異なるため、小学生が音楽室を使用する際は、中学生が授業をしているその教室の前を通らなければなりません。もしテスト期間中だった場合、少しの私語でも中学生の迷惑になってしまいます。本来は休み時間にもかかわらず、一言も会話ができずに移動するというのは大変なストレスではないでしょうか。
校舎も1つであれば校庭も1つです。現在、校庭はまだ工事中で使えませんが、小学1年生から中学3年生までの9学年が1つの校庭を使うことになります。また、放課後は中学生が部活を行いますので、基本的に小学生は使えなくなります。和泉学園にはもともと新泉小に設置されていた学童クラブが開校と同時に移設されましたが、今後、校庭の工事が終了しても、学童クラブの子どもたちは、中学生の部活のため、校庭を使って外で遊ぶこともできず、学童クラブの敷地からほとんど出ることができません。これは体育館についても同様です。
さらに、来年4月からは和泉児童館内の学童クラブも学園内に移設される予定で、そうなると、150名を超える規模の学童クラブとなります。施設一体型小中一貫校内に設置された学童クラブの子どもたちが、中学生の部活のため体育館や校庭の利用ができず、伸び伸びと放課後を過ごすことができなくなっている現状があり、大きな問題です。こういった指摘について区はどのように認識しているか、伺います。
体育館についても問題を指摘する声が上がっています。和泉学園の体育館は大アリーナと小アリーナがつくられました。小学部棟に小アリーナ、中学部棟に大アリーナが設置されています。2つともアリーナと命名されておりますが、小学部棟の小アリーナには、舞台、いわゆるステージが設置されておりません。そのため、学芸発表会などのステージを使用する行事やその練習全てが中学部棟の大アリーナを使用しなければならず、小学生が大アリーナを使用する際には、中学生の体育の授業に影響が出てしまいます。ここにも施設一体型の弊害があるわけですが、校舎を一体的につくるために、敷地には限りがあり、小アリーナにはステージをつける余裕がなかったのでしょう。このことで小中双方に問題が生じていると指摘しますが、区にはその認識があるのか、伺います。
小学部棟にある武道場についてですが、中学生が柔道で使用するには小さく危険なため、結局、柔道の授業はアリーナに畳を敷いて行っているそうです。ここにも、小中を無理に1つの校舎に押し込めたために、武道場を小さくつくるしかなかったという施設一体型の弊害が発生しています。校舎設計については現場の教職員からさまざまな声が上がっていたと思いますが、そういった声を本当に反映させていたのか、大変疑問です。区の認識を伺います。
施設一体型の弊害はまだまだあります。和泉学園の教職員は小中合わせて約70名規模となりますが、小中の連携のためとして職員室は1つとなっています。しかし、これも敷地不足がたたり、職員室の広さが十分に確保できず、机を小さくするほどでした。事務作業への弊害と労働環境の悪化をもたらしていることは明らかです。この点についても区の見解を求めておきます。
また、教職員用の休憩スペースがないことも労働環境としては大きな問題です。体調を崩している教職員や妊娠している教職員が少しの間でも横になって体を休めたいと思っても、できないのです。小中学校の教職員の多忙化は、今や社会問題にもなっております。子どもたちの授業を遅らせられない、他の教員に迷惑がかけられない、そんな思いから、妊娠中でも少々の体調不良でも休まずに教壇に立つ、そんなときに短時間でも休息するための場所がないのです。平成23年第4回定例議会で我が党区議団の金子議員が一般質問で確認した際、区は、教職員の健康状態を考えて、校舎を新しくする際は原則休憩室をつくると答えていました。なぜ和泉学園にはつくらなかったのでしょうか、お答えください。
このように、和泉学園の校舎設計は、小中学校の一体化と施設の合理化に主眼が置かれ、一番大切な児童生徒の教育環境及び教職員の労働環境の整備が二の次とされてしまいました。小学校と中学校を1つの学校施設に押し込めることから、校舎の敷地面積が足りず、そのため多くの負担が児童生徒と教職員に押しつけられています。改めて、このような施設一体型小中一貫校の弊害を区はどう受けとめているのか、確認いたします。
和泉地域では、この小中一貫校の新設に伴い、近隣の和泉児童館の廃止も進められようとしております。来年4月から和泉児童館内の学童クラブが和泉学園内に移設されることはさきに述べましたが、和泉児童館は時期を同じくして廃止され、改修の後、仮称子ども・子育てプラザ和泉となって乳幼児の一時預かり事業を実施すると区は説明します。その際、児童館廃止後も児童生徒の来館は拒まないとしております。当初、児童館を廃止しても、児童館機能は学校敷地内で維持拡充できると区は強弁しておりました。結局は児童館機能を和泉学園に移設できず、児童館廃止後も放課後の居場所を確保しなければならないと判断したのではないでしょうか。
しかし、乳幼児の一時預かり事業では、午睡、いわゆる午後のお昼寝の時間が必要です。こちらの部屋では乳幼児たちがお昼寝をし、こちらの遊戯室では小中学生がにぎやかに遊ぶということになるのです。乳幼児の静かなお昼寝の環境と子どもたちの伸び伸びとした遊びの環境は、この計画で十分に保障されるのでしょうか、見解を伺います。
さきに述べたとおり、施設一体型小中一貫校の和泉学園では、既に中学生の部活と学童クラブの体育館やグラウンドの利用がぶつかり合っている状況があります。そこにさらに児童館の機能を移設することがどれほど現実的なのでしょうか。既に和泉児童館を完全に廃止すると方針を出している以上、和泉学園内でどのように児童館機能を維持し拡充させるのか、区として具体的な施策を提示すべきだと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
ここまで示してきたように、施設一体型小中一貫校の敷地内で、小学生の放課後の居場所を確保することと中学生の部活動の活動場所の確保とが両立しないことは明白です。学校統廃合の手段として用いられる施設一体型小中一貫校の方針と、福祉施設削減の目的で進められている児童館施設廃止の方針、区はどちらも進めようとしていますが、2つの方針が合わさった和泉地域で明確になったことは、結局は子どもたちの居場所が消滅してしまうということではないでしょうか。これほど矛盾を来している施策は白紙撤回し、改めて和泉児童館の存続を求めますが、区の認識を伺います。
さて、高円寺地域でも、杉並第四小学校と杉並第八小学校、そして高円寺中学校の統廃合が進められようとしております。2010年に地域で行われた説明会から、計画策定準備会、そして現在行われている学校づくり懇談会に至るまで、杉四、杉八、高中の統廃合については、区は、統廃合か、それとも既存小中学校の存続かという基本方針の是非について住民に尋ねたことは一度もありません。また、説明会などで地域住民から出された反対意見、疑問意見にはほとんど耳をかす姿勢も見せません。
2012年3月から約1年間の期間で区が設置した高円寺地域における新しい学校づくり計画策定準備会では、学校統廃合が大前提となるたたき台を区が用意し、統廃合ありきの議論しかさせませんでした。この準備会には、地域住民や小学校PTAの方も区から指名を受けて参加していましたが、座長が笑い話として、反対派の母親たちに囲まれて大変だったなどと、統廃合に疑問を持つ保護者をやゆする発言を行うなど、小学校を中心に活動していた住民の方々には、大変苦痛の多い準備会だったのではないでしょうか。
準備会の最終報告文書を作成する議論では、参加していた住民から、区が準備したたたき台について意見交換したまでで、学校をなくすということについては何ら議論していないという趣旨の発言がありました。要するに、この準備会で統廃合を容認したわけではなく、そのことを報告書に載せてほしい、そういう意思表示だったのですが、結局は、反対派発言をした座長が文書を取りまとめる段階でそういった声を排除し、報告書には、新しい学校は施設一体型の小中一貫教育校が望ましいと記載されてしまいました。
その後、区は、住民たちが参加した準備会で理解が得られたと、小中学校を統廃合し、施設一体型小中一貫校をつくる高円寺地域における新しい学校づくり計画案を発表し、平成25年9月からパブリックコメントを行いました。このパブコメでは、地域の方々から多くの統廃合反対の意見が出され、全体の74%以上に上りました。しかし、区はこのパブコメ結果を無視し、統廃合計画を強引に決定してしまいました。
この暴挙について私が議会で指摘すると、区は、何も言わない方、パブリックコメントに対して個別に言わない方は施策について同意があると、横暴な姿勢を見せるありさまです。パブリックコメントの制度自体を否定する最悪の姿勢だということを指摘せざるを得ません。
このような経過の中、現在は、新設校舎を高円寺中学校の敷地につくる方向で基本設計案が出され、学校づくり懇談会で議論が行われています。和泉地域では隣接する小中2校の敷地で一貫校が建設されましたが、高円寺地域では中学校1校の敷地に小中学校3校を無理やり詰め込むものです。そのため校舎は高層化し、1つしかないグラウンドは、当然和泉学園よりも狭くなります。和泉学園でも2つある家庭科室やプールは、1つしかありません。教育環境の悪化は和泉学園とは比べ物にならないと指摘するものですが、この点について区の認識を伺います。
高円寺地域では、小中学校の存続を求める趣旨の陳情が杉並区議会に4本提出され、それぞれの署名数を合計すると、2,000名以上の方がそれらの陳情に賛同しています。ことし10月末には、地元住民から教育委員会に対し、学校づくり懇談会では限られた委員しか発言ができないため、誰もが参加できる小中一貫校の設計案についての説明会の開催を求める要請行動が行われました。高円寺地域の方々は、この学校統廃合に対し反対の声を上げ続けているのです。
このような住民の声を無視し、教育環境の悪化を招く施設一体型小中一貫校による学校統廃合を強引に進めることは、地域の方々のためにも、子どもたちのためにもなりません。計画を凍結し、その是非も含めた住民との話し合いの場を改めてつくるべきと強く強く要望いたしますが、区の見解を求め、次の質問に移ります。
次に、杉並区内における生物多様性保全施策の拡充について質問いたします。
生物多様性という言葉、何となく難しい言葉との印象が強いかもしれませんが、その意味は、生き物たちがさまざまな個性を持ち、いろいろなつながりを持っているということで、簡単に言うと、自然の生き物たちとその環境ということです。
私たちの生活は、生き物たちがつくり出したいろいろな資源に支えられています。日々口にする食べ物、住宅をつくるときの木材、衣類や薬品、動植物の営みがつくり出したたくさんの恵みを受け取って生きております。今、地球全体で進む自然破壊によって、生き物たちが物すごいスピードで絶滅しています。その数は年間4万種から15万種とも言われております。地球の生物史上第6の大量絶滅と言われ、恐竜絶滅時を超える異常なスピードだと、多くの研究者が警鐘を鳴らしています。この生き物たちの絶滅のスピードをどうにかして緩やかにしなければ、私たち人類にも大きな影響が出てしまうというのが生物多様性を守る出発点です。
そうはいっても、宅地化が進んだ杉並区にはほとんど自然が残っていないのだから、私たちにできることはないのではと思われるかもしれません。しかし、地球全体で見ると、杉並区のような近代的な都市部に住んでいる人々の経済活動で、人類が使用している資源の75%を消費しており、私たちはさまざまな地域からもたらされる生物多様性の恩恵に大きく依存しているのです。このような観点からも、都市部に住む私たちが生物多様性の重要性を理解し、その必要性に気づかなければなりません。
環境保護というと、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量削減が連想されますが、1992年の地球サミットでは、温室効果ガスの排出量にかかわる国連気候変動枠組条約とともに、種の絶滅を食いとめる生物多様性条約が採択され、日本も批准しています。その後も国際的な生物多様性についての取り組みはさまざま行われておりますが、2010年の名古屋で行われた生物多様性条約第10回締約国会議、COP10では、2020年までに種の絶滅の速度を遅くすることなどを目標として、愛知目標、名古屋議定書などが採択されています。
日本では、2008年に生物多様性基本法が成立し、2010年には生物多様性国家戦略の4度目の見直しが行われました。この国家戦略では、2020年までに重点的に取り組むこととして、1生物多様性を社会に浸透させる、2地域における人と自然の関係を見直し・再構築する、3森・里・川・海のつながりを確保する、4地球規模の視野を持って行動する、5科学的基盤を強化し、政策に結びつけるという5つの基本戦略が設定されています。また、生物多様性基本法の第13条では、国だけでなく、地方公共団体にも生物多様性地域戦略の策定を努力義務として求めており、本年3月末現在で、35都道府県、14政令指定都市、48市区町村の合計97自治体が策定しています。
東京都では、生物多様性の危機を背景に、緑施策のこれまでの取り組みと生物多様性の視点から強化する将来的な施策の方向性を取りまとめた戦略として、地域戦略を2012年に策定しました。杉並区でも絶滅が危惧されている希少な動物は生息しております。善福寺川にすむカワセミは、東京都区部で絶滅危惧II類とされていますし、区の生物生息場所の保全施策で保全対象となっているキンランは、全国的に見て絶滅危惧II類とされています。その他にも、ヤマブキソウ、ギンラン、ニリンソウなど多くの希少な生物が杉並区内で生育しています。こういった希少種の保全と区内の生物多様性の保全を進めるために、杉並区も生物多様性地域戦略の策定が必要と考えますが、区の見解を伺います。
生物多様性の観点で重要なのは、地域ごとに従来から生息していた生き物たちとそのつながりをどう守り増やしていくかということです。生き物の種類が単に増えるだけではだめなのです。外来種という言葉は皆様も聞いたことがあると思いますが、その地域に本来すんでいなかった生き物が、人為的に、また環境の変化でその地域に入ってくることを外来種といいますが、これら外来種によって在来の生物が駆逐されるという例が後を絶ちません。例えばハクビシンなどは、現在杉並区内でも増加の傾向ですが、杉並区自然環境調査報告書では、雑食性で繁殖力が強く、在来の動植物への影響や農作物への被害などが懸念されますと、外来種として注意喚起がされています。
植物についても同様で、ただ単にみどりを増やせばいいのではなく、従来からの在来植物を増やしていくことが必要です。東京都は2014年に、生物多様性に配慮した植栽を目指すとして、植栽時における在来種選定ガイドラインを発表しました。その中では、「本ガイドラインが、市街地の緑化に関わる全ての方々に幅広く活用され、都内で在来種の植栽による緑のネットワークの形成が進むことを期待しています。」と書かれております。杉並区でも、街路樹や公園、区立施設などの植栽について、都のガイドラインに基づいて行っていくべきではないでしょうか。また、区立施設だけでなく、民有地に対してもガイドラインに沿った植栽を行ってもらうために、区内事業者などにこのガイドラインについて広く知らせていくべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
杉並区で生物多様性の保全、創出を行っていくためには、現在の区内の生き物の状況を知ることが必要です。杉並区が1985年から5年ごとに実施してきた杉並区自然環境調査は、今回、第6次報告まで出されており、約30年間の区内の動植物の動向を克明に記録する大変重要な調査となっております。この調査報告書では、「小規模でも水域と水辺の緑が一体となったビオトープを数多く創出していくことが望まれる。」「また学校を核として、学校ビオトープ作りを含め、環境教育を進めていくことも重要」など、区内の今後の取り組みに言及しています。この報告書の提案のとおり、杉並区において生き物たちのにぎわいを取り戻すためにも、公園、区立小中学校など区立施設に積極的に、生き物の生息場所、ビオトープを増設することが必要と考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
さて、この約30年近くの調査の中で、杉並区は2006年に、「レッドデータブックの実現にむけて」と副題を打ったこちらの「すぎなみの注目動植物」という小さな冊子を発行しております。ちょっと小さいので見えないかもしれませんが、小さな冊子ではありますが、掲載されている生き物の数が多く、写真つきで大変わかりやすく、さらには、希少種かどうかのランク分けもしっかりと記載されております。こういったしっかりとした、大変驚く内容でした。
また、ことし3月に発行された杉並区自然環境調査報告書の第6次の概要版、こちらに持ってきましたが、概要版という言葉には似つかわしくないぐらいの内容の濃さで、専門的な視点から、しかし大変わかりやすいつくりとなっており、作成に当たって力の入れぐあいが伝わってきますし、編集作業にも、調査作業と同様に大変な苦労をされたのではないかと思います。今後は、こういった報告書及び概要版からもう一歩踏み出し、小学生低学年でもわかる内容の環境教育の冊子をつくっていくのはいかがでしょうか。
さらに、記念すべき第1回目の環境調査報告書の内容をもとにつくられた「すぎなみの街と自然 花も虫もみんなともだち」、こちらが1988年に発刊されてから約27年がたちました。環境調査報告第6次の内容も取り込みながら、杉並区の現在のまちと自然を伝える新たな冊子を発行することが、生物多様性についての啓発に大きな効果があると考えますが、この点について区の見解をお聞きして、私の一般質問を終了いたします。
○議長(はなし俊郎議員)
理事者の答弁を求めます。
子ども家庭担当部長。
〔子ども家庭担当部長(田部井伸子)登壇〕
◎子ども家庭担当部長(田部井伸子)
私からは、所管に関するご質問にお答えいたします。
まず、児童館機能の展開に際しての杉並和泉学園における学校施設の利用についてでございます。
学童クラブの運営は学校側とも協議しながら進めておりまして、利用場所についても学校運営との調整を踏まえて確保しているところでございます。現在は学童クラブ育成室を中心とした運営を行っておりますが、来年度以降は、校庭、体育館、特別教室等に加えまして、新たに
整備する学童クラブの屋上を利用することで、さらなるスペースの確保も図る予定でございます。小学生の放課後居場所事業につきましても、モデル実施に向け、校庭等のスペースの利用範囲などを協議しているところでございます。
こうした対応によりまして、これまでの児童館機能をより充実させた事業展開が可能であると認識しておりまして、今後も、区立施設再編整備計画に基づく取り組みを着実に進めていく考えでございます。
次に、仮称子ども・子育てプラザ和泉の施設環境についてのご質問にお答えいたします。
仮称子ども・子育てプラザ和泉につきましては、今後、改修に向けた設計を進めてまいりますが、一時預かり事業を実施する部屋につきましては、同じ建物内であっても独立性を保つことが必要と認識しておりまして、設計段階から工夫をしてまいりますので、運営に特段の支障はないと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(はなし俊郎議員)
環境部長。
〔環境部長(森 雅之)登壇〕
◎環境部長(森雅之)
私からは、生物多様性保全施策に関するご質問にお答えいたします。
最初に、生物多様性地域戦略の策定についてのお尋ねですが、区の環境基本計画やみどりの基本計画では、生物多様性や在来種の保護に関する取り組みを計画化し、多様な生物が生息できる環境づくり、人と生物とが共生できる環境への取り組みを行っているところでございます。こうしたことから、今後、既存計画の改定の中で生物多様性地域戦略をどのように取り扱うかについては、他の自治体の動向等も踏まえ、研究してまいりたいと存じます。
次に、都が策定した在来種選定ガイドラインの活用に関するお尋ねですが、区では、公園・緑地等の整備の際に植栽計画の参考に活用しております。今後は、区民、事業者へ緑化計画の指導の際、参考となるよう活用してまいりたいと存じます。
次に、区立施設へのビオトープ増設についてのお尋ねですが、区ではこれまでも、区立の学校や公園などに、それぞれの敷地状況等に応じてビオトープを設置してまいりました。特に区立学校につきましては、環境学習の観点から計画的に設置を進めております。今後の区立施設へのビオトープの設置に当たりましても、施設の性格、設置場所の広さや日照条件、維持管理などさまざまな課題があり、これらの状況を踏まえながら適切に対応してまいりたいと存じます。
次に、杉並区自然環境調査報告書についてのお尋ねですが、このたびの第6次の報告書では、新たに概要版を作成し、一般の区民から小中学生までの利用を念頭に、写真を多用するとともに、わかりやすい記述に心がけたものでございます。
また、新たな冊子の発行についてのお尋ねですが、今回作成した概要版を今後さらに充実していくことで対応してまいりたいと存じます。
私からは以上でございます。
○議長(はなし俊郎議員)
学校整備担当部長。
〔学校整備担当部長(大竹直樹)登壇〕
◎学校整備担当部長(大竹直樹)
私からは、まず、杉並和泉学園の施設整備に関する一連のご質問にお答えいたします。
まず、アリーナ及び武道場兼交流室についてのお尋ねにお答えいたします。
同学園には大小2つのアリーナがございます。小学部及び中学部が相互に連携して年間指導計画を立案する中で、学芸会等のため小学部がステージのある大アリーナを利用するなど、それぞれのアリーナを効率的に効果的に活用してございます。特段の問題は生じてございません。
また、中学部における柔道の授業についてですが、これについても、施設全体を有効活用するとの考え方に立って、小アリーナを中心に実施しているところでございます。
なお、武道場兼交流室を含め、設計段階ではさまざまな教職員の意見を聞いており、必要かつ実現可能な内容につきましては、適切に施設整備に反映してございます。
次に、職員室につきましては、小中学校の全教員が日常的に9学年にわたる児童生徒に関する情報を共有し、教員同士が連携協力して体制づくりに資することから、1つの部屋としたものでございます。加えて、同学園では、中学部の時間講師等についても、相互の連絡調整を密にするために同部屋としたことに伴いまして、机のサイズを若干工夫したものでございます。このことが直ちに事務作業等への影響や職場環境の悪化につながるとは考えてございません。
なお、教職員の休憩スペースにつきましては、当初から職員室の南側部分に設置してございます。
この杉並和泉学園の施設整備につきましては、教職員の職場環境はもとより、何より児童生徒が、小中一体型の施設において、義務教育9年間を通しまして一貫性のある質の高い教育を受けられるよう、ラーニングセンターを初めとした児童生徒の日常的な交流を促す共有スペースを設けるなど、さまざまな配置工夫を凝らしておりますので、施設一体型小中一貫教育校の弊害があるとの議員のご指摘については、全く当たらないものと存じます。
次に、高円寺地域における小中一貫校新しい学校づくりに関して、先般の高円寺地域における新しい学校づくり懇談会でお示ししました配置計画についてのご質問にお答えいたします。
まず、校庭の面積ですが、現在の高円寺中学校の校庭に比べまして多少狭くなっておりますが、新たに屋上スペースなどを設置することによりまして、総体としては同等以上の面積が確保できているものと存じます。また、家庭科室では、教育課程上の必要時数を踏まえまして、1カ所で小学部、中学部双方の対応が可能である一方、現在よりも広い2.5教室分のスペースを確保することとしてございます。プールにつきましても、昇降式の床を採用することに加え、年間授業時数上の調整等を図ることによりまして、1カ所で小学部と中学部の併用が可能となります。これらはいずれも学校側との調整、確認を得ており、教育環境上の確保、充実に十分配慮いたしてございます。
最後に、新しい学校づくり計画を凍結すべきとのお尋ねでございますが、これまでもご答弁申し上げておりますとおり、本計画の策定に当たりましては、学校関係者や地域関係者との意見交換会や説明会を積み重ねるとともに、区民等の意見提出手続を経て決定したものでございまして、凍結する考えはございません。
なお、本計画の進捗に関する地域住民等への説明につきましては、今後とも、新しい学校づくりニュースによるお知らせや、まちづくり条例に基づく説明会の実施など、計画の進捗状況に合わせまして適時適切に行ってまいりたいと存じます。
私から以上でございます。
○議長(はなし俊郎議員)
20番富田たく議員。
〔20番(富田たく議員)登壇〕
◆20番(富田たく議員)
何点か再質問させていただきます。
まず、一番重要な問題から行きましょうか。高円寺地域の小中一貫校の計画の問題ですが、パブリックコメントもやって、地域住民の説明会もやって進めてきたから、今後も改めて新しい住民との話し合いの場はつくらずに、計画を進める段階で条例にのっとって説明をするという答弁だったと思いますが、今僕がお話しした内容は聞いていらっしゃいましたかね。この間の高円寺地域の統廃合の強引な進め方、住民の人たち、どれぐらい苦しんでいるか、これは何度も何度も委員会などでもやりましたけれども、そういった方々に対して、きちんと膝を突き合わせて、目を合わせて住民と話し合う場が必要だというふうに私は言っているんです。改めてそれを強く要望します。検討してください。一応答弁も求めます。
あと、高円寺地域の新しい学校の計画で、グラウンドが狭くならないというふうにおっしゃっていたんですけれども、屋上と合わせてということですよね。屋上と合わせなかったら、グラウンドは今よりも狭くなるということと認識していいんですかね。そこを確認させていただきます。
あと、和泉地域についてですが、小アリーナにステージがないこととか、武道場の狭さとか、職員室のスペースとか、全然問題がない、弊害はないんだというふうにおっしゃっていましたけれども、本当ですかね。保護者や児童生徒、また教員の方々にしっかりとそういった声、私たち、聞こえてくるんですけれども、耳を塞いでいるだけなんじゃないですか。きちんとそういった現場の方々の声、もう一度確認してください。これについても見解を求めます。
また、職員用の休憩スペース、職員室の南側につくっているとおっしゃいましたが、私、落成式のときに和泉学園へ行ってまいりまして、中学生たちに校舎を案内していただきました。職員室の南側のスペースは、あそこはソファーが置いてあったと思うんですけれども、そこが休憩スペースなんですかね。横になって休めるような個室になっているんですか、なっていないんですか。妊娠されている方が気分が悪くなって静かなところで休みたいとかという方が休めるスペースが本当にあるのかどうなのか、そこを確認させてください。(「保健室でいい」と呼ぶ者あり)
今、保健室でいいじゃないかという声がありましたけれども、生徒たちが寝ている横で教員も寝るというのがいいんでしょうかね。これはどうなんでしょうか、教育長。その辺も確認させてください。
あと、和泉学園の中の小学生の放課後居場所事業と部活動を、今後、来年度からは計画していく、両立させていくんだというふうにおっしゃっておりましたが、それは中学生の部活動の日数を減らすということですか。そんなことしちゃっていいんでしょうか。それとも減らさないんだということなんでしょうか。そこがよくわからなかったです。小学校の子どもたちの放課後居場所事業を実現させるために中学生の部活に影響が出てしまうということは、大きな問題だと思いますが、その辺はいかがなんでしょうか。
あと、杉並区の自然環境調査報告書について、新たな冊子については、概要版をさらに充実していくという答弁をいただきました。大変重要なことだと思います。これからもそういう方向性でやっていただきたいと思いますし、私もその発行を楽しみに待っております。
以上で再質問を終わります。
○議長(はなし俊郎議員)
理事者の答弁を求めます。
子ども家庭担当部長。
〔子ども家庭担当部長(田部井伸子)登壇〕
◎子ども家庭担当部長(田部井伸子)
私からは、児童館機能の学園内での展開のために中学生の部活を減らすということかということに関してのご質問にお答えいたします。
学園内におきまして2つを両立するということは、言うまでもなく、中学生の部活に対して、それを減らすとか、そういった影響を与えることなく、その中で共存していくという道を考えるということでございまして、空間の利用範囲のシェアですとか時間帯のシェア、それから学校のカリキュラムによる十分使える期間がどのくらいかとか、そういったことを個々に関係者で調整して、その上でやっていくということで、両者に支障がないような運営をしていくということでございます。
私からは以上でございます。
○議長(はなし俊郎議員)
学校整備担当部長。
〔学校整備担当部長(大竹直樹)登壇〕
◎学校整備担当部長(大竹直樹)
それでは私から、第2質問のお答えをいたします。
まず、高円寺地域の小中一貫校の話し合いの場ということでございますが、現在、懇談会で、基本的な考え方、配置計画、それから平面計画も十分議論を進めてございます。何よりも、今後子どもたちによりよい教育環境をつくっていくということが最大の目的でございます。その目的に向けて、現時点でその計画を実現していくということが第1だというふうに考えてございます。
次に、グラウンドの面積が狭くなるのではないかというご質問でございます。たしか、現状の高円寺中の面積、1階の校庭部分が5,300平方メートルございます。現時点、今懇談会でお示ししている計画案では、1階の校庭が4,800平米でございますけれども、屋上部分に1,000平米相当の遊び場スペースをつくる予定でございますので、既存以上の面積が確保できるというふうに考えてございます。子どもの遊び場のスペースとしては同等以上を確保できると考えてございます。(富田たく議員「僕が言っているのは校庭の話をしたんだけれども、校庭は減るということですね」と呼ぶ)校庭は若干少なくなりますけれども、総体的には広くなるというふうに考えてございます。
それから、和泉学園ですが、さまざまな小さな課題があって現場の声ということでございますが、私のほうには特段その旨は届いてきてございませんので、問題ないというふうに考えてございます。
それから、最後になりますが、休憩室のスペースでございますが、パーティションだとかソファーだとかいうご質問がありましたけれども、設計の段階で、これも校長先生とか先生方に図面を見せてご意見を聞きました。職員室の南側に今の状態でつくるということで、設計上の図面でも打ち合わせをして決めたことでございます。したがって、特に大きな問題はないというふうに考えてございます。
以上でございます。
○議長(はなし俊郎議員)
以上で富田たく議員の一般質問を終わります。
~議事録抜粋終了~