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【議事録】富田たくの一般質問 2011年9月7日 杉並区議会第3回定例会 本会議 

議事録

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質疑内容 : ①区内の放射線量測定について、②節電対策、再生可能エネルギー施策について
質問者 : 日本共産党杉並区議団 富田たく

2011年9月7日に行われた杉並区議会・本会議で僕が行った一般質問の議事録をアップしす。(議事録については時系列で管理を行うため、このエントリーの更新日は質問当日の日付にしております。更新日2015年6月8日)
※この議事録は富田たくの質疑を抜粋したものです。当日の全議事録はコチラから。
※動画での視聴はコチラから。
~議事録抜粋開始~

平成23年第3回定例会-09月07日-12号

○議長(藤本なおや議員)
以上で市来とも子議員の一般質問を終わります。
19番富田たく議員。
〔19番(富田たく議員)登壇〕
◆19番(富田たく議員)
日本共産党・富田たくです。日本共産党杉並区議団を代表しまして、区政一般について質問いたします。
まず、国難ともいうべき3月11日の東日本大震災から今月11日で半年が経過いたします。被災した方々、大切な家族や友人を亡くされた方々に改めてお見舞いとお悔やみを申し上げます。
あの福島第一原発事故によって放出された放射性物質による汚染の状況が、半年を経過して少しずつ全容が見えてきております。前回、第2回定例議会で私が一般質問したときには、チェルノブイリ事故で放出された放射性物質の約5分の1の77万テラベクレルと原子力安全・保安院が発表したばかりでした。8月26日の政府発表では、放出された放射性物質の内訳は、半減期が30年のセシウム137は1万5,000テラベクレル、半減期が29年のストロンチウム90は140テラベクレル、半減期が8日のヨウ素131は16万テラベクレルとされています。8月30日には東北地方の放射性物質の土壌濃度マップも文部科学省から発表がありました。
こういった発表を目の当たりにし、改めて原発事故の恐ろしさを痛感するとともに、日本で最悪の放射能汚染で故郷を奪われた福島の方々を思うと、安全神話で対策を怠り、自らの利権だけを求め続けた原発推進派の政治家、官僚、そして東電に対し、強い怒りを感じております。このような人災が二度と引き起こされないよう、原発行政に対する監視を強めるとともに、事故によって放出された放射性物質による環境汚染を一刻も早く取り除き、国民の健康被害を食いとめることが今求められております。
そこで質問させていただきます。まず、区民から、子どもを外や公園で遊ばせているけれども、公園などの汚染状況がわからず不安ですなどの声が寄せられております。区に対してはどのような声が寄せられているか、伺います。
日本共産党杉並区議団は、こうした区民の不安にこたえ、区内の放射能汚染の状況を把握するため、きめの細かい線量測定を実施することを求めてまいりました。6月当初、小規模だった区の線量測定が、7月には区内全小中学校、保育園、幼稚園へ、そして8月からは区内の公園へも拡大されたことは、私たちの要望と多くの区民の声が杉並区政を動かしたことと実感しております。また、その決断を下した杉並区を我々は評価するものであります。
都内の放射能汚染調査については、5月に行政に先駆けて日本共産党東京都議団が全都的な測定を行い、話題を呼びました。その後の東京都での100カ所の測定、そして杉並区の全区的な測定が行われ、一連のこの調査で、杉並区内の空間線量は都内でも比較的低いということがわかってきております。
今回杉並区が行った調査は、全小中学校、保育園、幼稚園、公園など、子どもたちの生活圏にかかわる施設に限定しているものの、その施設は区内各所に配置されており、区内を網の目のように測定していることは大変重要であります。ただし、この全区的な測定では、各施設1カ所の測定にとどまっているのが現状です。地表からの高さは、1センチ、50センチ、1メートルと3パターンで行っていますが、大きな校庭では、その中央部分1カ所の測定となっております。区内の空間線量の測定の次の段階として、各施設での詳細な線量測定を行い、高線量部分がないかを確認していくことが必要になっているのではないでしょうか。
我々日本共産党杉並区議団は、杉並区の空間線量測定を補完する意味でも、独自の線量調査を8月中に行いました。対象を公園に絞り、高線量部分がないかどうかを確認しながら、1つの公園で複数箇所の測定を約80施設、延べ430カ所実施いたしました。使用した線量計は、国内メーカーのアロカ社製のシンチレーションサーベイメーターPDR-101、日本共産党都議団が5月に全都的な測定を行った測定器です。また、測定方法は、高さを5センチ、1メートルと固定し、10秒ごとに10回の測定を行い、その平均値を算出して測定値としております。
私たちの独自測定からは、次のような傾向が出ております。当初高線量が予想されていた砂場やブランコの下などは、線量がそれほど高くないという傾向が出ています。これは、堆積した放射性物質が子どもたちの公園利用で拡散されたためではないかとも考えております。同様に高線量が予想された公園の側溝や排水溝、その泥、砂、落ち葉、またトイレの雨どいの下や滑り台のおり口からは、予想どおり高い線量が測定される公園もありました。放射性物質が吸着した泥や砂、落ち葉、または放射性物質そのものが雨水の流れによって集中したものと思われます。
ただし、同じ公園内でもすべての排水溝で高い線量が測定されるわけではなく、公園内の傾斜や人通り、風の流れなどが関係していると考えられております。ある公園では、排水溝や側溝に堆積していたと思われる砂や泥が公園内に積み上げられており、その部分で毎時0.5マイクロシーベルトを超える高い数値が測定されました。側溝などの清掃で砂や泥が人為的に移動されたと推測されます。
このように、時間の経過とともに、雨水の流れなどで集中した放射性物質が人の手によっても移動するということ、これを私たちは考慮に入れなければなりません。
測定値についても、ほとんどの公園の中央部分では毎時0.04から0.1マイクロシーベルトで推移しているのに対し、側溝や雨どいの下では、毎時0.2から、高いところでは0.5マイクロシーベルトを記録しており、こういった部分では、年間の積算で1ミリシーベルトを超えると考えられます。
こういった場所は決して子どもたちが24時間滞在するわけではありませんし、広大な範囲にわたるわけでもありません。しかしながら、子どもたちの生活空間に高線量の箇所が存在するということは、それがすぐに健康に被害が出なくても、万が一を考え、早々に取り除く必要があると私は考えます。人体に対する放射線の影響については、専門家の間でもさまざまな議論がなされております。放射線の影響が5年、10年と時を経なければあらわれない場合もある中で、影響が出た後では、いつの時点で被曝した放射線の影響なのかも検証ができない、そういった中では、接する放射線量は低いにこしたことはないというのが通説であります。
そこで質問いたします。政党や市民団体による独自調査、個人の情報提供も軽視せず参考にし、区として全小中学校、保育園、幼稚園、公園などの各施設の詳細な測定を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
そもそも区内の測定は、ただ単に区民の不安解消のためだけでなく、子どもたちの健康被害を出さないための手だてとして、空間線量測定だけでなく、高い線量が測定された場合のことをしっかりと考えるべきです。他の自治体では、独自の基準を定め、その自治体の責任で線量測定を行い、基準を超えた場合は線量を低減させるための対策をとっております。国や都の動きを待つだけでなく、子どもたちの健康を守る観点からも、杉並区として独自基準を早期に設定すべきと考えますが、いかがでしょうか。
さて、先ほどもお伝えしましたが、私たち日本共産党の独自調査では、ある公園の一部で毎時0.5マイクロシーベルトを超える測定結果が出ております。この測定結果については、既に区危機管理室へお伝えしております。区の測定機器と我々の測定器、その違いや測定方法の違いがあるにせよ、年間1ミリシーベルトを超える可能性が高いポイントについて早々に除染を行うことが必要と考えますが、区はどのように対応するのか、伺います。
この間、杉並区が放射能汚染に対する政策を実施してきたことは改めて評価するとともに、そこに費やした費用について、しっかりと東電や国に求償すべきと考えます。今回の全区的な線量測定に費やした経費と従事した職員数についてご提示ください。
次に、杉並区が実施した放射線についての説明会とシンポジウムについて伺います。
杉並区は、7月14日から21日の間、放射線についての説明会を合計4回、そして7月30日にはシンポジウムを開催いたしました。私も、7月14日の杉十小学校での説明会と30日のシンポジウムに参加いたしました。区内の放射能汚染に不安を持つ方々にとって、疑問に答えてくれるだろうと多くの期待があったと思いますが、説明会やシンポジウムが終了したときの参加者の疑問の顔、納得のいかない表情は忘れられません。私が参加した説明会では、多くの区民から質問があり、終了予定時間を1時間以上過ぎても質問が終わらないといった状況でした。区内放射能汚染に対する区民の関心の高さ、不安の高さをこれは物語っております。
説明会では、杉並区の測定結果から、他区と比べて比較的線量が低いという事実を客観的に区民に伝えるべきであったところを、事実を飛び越え、健康には影響がないと明言し、それに対する質問に対しては、原発事故が起こる前から放射線はある、砂場が心配と言うが、岩石を使っている以上、砂自体から放射線は出ている、こういった言葉で対応されておりました。区民の不安の声に対し寄り添う姿勢を見せるのではなく、なぜわからないのかといった態度がこの言葉ににじみ出ていたように思います。この結果、参加した区民からは、大丈夫ですと言いたいだけの会になっているなどの疑問の声が私たちのもとに寄せられております。
さらに、放射線についてのシンポジウムでは、放射線の専門家として、杉並区の放射線対策担当顧問から、100ミリシーベルト以下では健康に被害を与えないと思っているなど、低線量被曝についての個人的な見解を主張した後、その講演のまとめでは、今この国に生きていることは宿命であり、人間の力ではどうにもならない定め、「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」との発言がなされました。これは、原発事故が起きた日本にいるということはどうしようもない、また、放射能汚染に過剰に反応し過ぎだと区民の不安を一蹴するような主張であり、到底容認できるものではありません。
生活に一番近い行政である杉並区の責務は、区民の健康と安全を守ることであります。そして、区民の不安を真摯に受けとめ、それを取り除くよう対応を行うことが必要であると私は考えます。
多くの区民が抱えているのは、子どもに対する健康被害への不安です。子どもには何も罪もなく、ただ日本にいるだけで放射能汚染によって健康被害が発生してしまうかもしれない、こういったことに不安を持つことは悪いことでしょうか。国や東電は隠ぺいに次ぐ隠ぺいを行い、原発推進のためにはやらせまで行う、こういった状況の中で、我が子を放射能から守るためにどうしたらよいのか、そう悩むことは悪いことでしょうか。
今回のシンポジウムでは、杉並区の放射線対策顧問という立場の人間が、おおよそ区民の不安を理解しようとするのではなく、不安を持つこと自体が間違っているかのような姿勢を見せたこと、そのこと自体が問題であると指摘いたします。自由民主党・石原伸晃幹事長の脱原発デモに対する集団ヒステリー発言、これが以前話題となりました。私は、これと同質の国民、区民を見下した態度と感じております。
ここで質問いたします。説明会において、区民の不安を訴える声に対し、不安を解消するのではなく、安心を押しつけるような説明が多数見受けられ、参加者の多くが区の姿勢に疑問を持つ結果となりました。区はこれをどのように総括しているか。さらに、多くの区民の不安は、未来を担う子どもたちの健康を心配する気持ちから来るもの、このような区民の率直な気持ちに不適切な言葉を浴びせる加藤和明氏は、放射能汚染対策顧問として適任ではないと考えるが、いかがでしょうか。
次に、説明会とシンポの開催方法についてです。
説明会は4回の開催で、すべて平日の昼間に行われました。シンポジウムは土曜日の開催ですが1回のみ。さらに、定員は会場の都合で160名しか入れませんでした。平日昼間の開催では、仕事をしている方々は仕事を休まざるを得ません。区は、そうした方々にはシンポジウムに来ていただければよい、そう説明会で回答しておりましたが、しかし、シンポジウムは定員制限があります。これでは参加したくても参加できない方が大半ではないでしょうか。
また、シンポジウムでは、質問用紙で質問を集め、それに対してパネラーが回答していくといった形式でしたが、これでは、答えやすいものから回答しているのではないかという疑問の声が出ても仕方がありません。参加者からは、区民とのコミュニケーションをとりたくないのか、そういった疑問の声が上がっております。杉並区として、こういった開催方法に対する区民の意見をどの程度把握しているのでしょうか。意見の数、内容はどのようなものがあったか、伺います。また、多くの区民が参加できる形式での再開を強く求めます。区の見解を伺います。
続いて、節電及び再生エネルギーについての質問を行います。
福島第一原発の事故以来、電力供給の低下から、国は、東京、東北両電力管内の大規模な工場、店舗、事務所などに対して電力使用制限令を発動しました。平日の昼間に昨年夏の使用最大電力から15%の削減を求め、故意の違反には罰金が科せられます。これは杉並区の施設にも当てはまり、区として20%の節電を達成するため、さまざまな取り組みを行っております。
ここで心配されていたのは、行き過ぎた節電でクーラーなどの利用制限を行い、逆に熱中症などの健康被害が出てしまうこと、また、節電でエレベーターやエスカレーターをとめ、高齢者や障害者の生活に影響が出てくることなどです。
実際に、区の施設、ゆうゆう館の利用制限については、利用者の方々から多くの疑問の声が寄せられました。具体的には、11時から14時までのピーク時の団体利用を制限するといった対応について、ひどく利用がしづらくなったという声です。また、こういった利用制限について、ゆうゆう館が敬老会館のころから利用するいきいきクラブの方々にさえ何の相談もなく、区の決定ですとばかりに強引に押しつけられたことに多くの疑問の声が寄せられております。
区が節電に取り組むことは、ほとんどの方が賛意を表明することと思います。しかし、そのやり方については、上からの押しつけではなく、区施設を利用する方々としっかりと話し合いを行い、合意形成した上で行うことが必要です。まして高齢者や障害者の方々など区施設の利用自体が生活の一部となっている方々に対しては、他の施設と比べてより一層心を砕くべきと考えます。
ゆうゆう館の節電対策に関する利用制限について、多くの利用者からの疑問の声が上がっている、こういった利用制限が高齢者に与える影響を把握し、見直しを行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
今、日本全国で脱原発を求める市民運動が活発に行われております。さきの第2回定例議会でも、区長からも、原発は再生可能エネルギーに切りかわるよう縮小していくことが重要との答弁がありました。使用済み核燃料の廃棄方法も確立されておらず、原発事故の収束もいまだ見通しが立たず、事故で放出された放射性物質の処理についても、半年経過しても有効な対策がとれていない、こういった中で、杉並区としても再生可能エネルギーの普及に努め、脱原発を進めていくことは大きな意味があります。
脱原発に向けた再生可能エネルギー政策については、さきの議会で区から、拡大の方向で進めていくとの答弁がありました。しかし、先日行われた杉並版事業仕分けでは、太陽光発電機器の助成制度について、評価結果として現状維持とされておりました。議会答弁のとおり、再生可能エネルギーについては普及拡大に努めるべきと考えます。区の見解はいかがでしょうか。
最後に、原発事故による放射能汚染問題、節電対策問題などは、多くの区民にとって今回初めて経験することばかりです。こうした中、これから成長していく小さなお子様の健康被害を心配することは当たり前のことです。こうした区民の心情をしっかりと理解し、そして寄り添いながら問題を解決していくことが、三つ星、五つ星の評価を受けることにつながると思います。本当の意味での命を守り、はぐくむ区政の実現に向け区が全力を尽くすことを求めて、私の一般質問を終わります。
ありがとうございました。
○議長(藤本なおや議員)
理事者の答弁を求めます。
区長。
〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良)
富田たく議員からの一般質問にご答弁申し上げます。
私からは、最初の放射能汚染に関するご質問にお答えいたします。
初めに、区民から寄せられている声ですが、区にはこの間、特に小さな子どもがいる保護者の方々などから、保育園や学校等の身近な施設での測定を求める声や給食食材の安全性の確保を求める声、放射線がたまりやすい側溝などの除染や砂場の砂の入れかえを求める声など、さまざまなご意見、ご要望がございました。
次に、市民団体等による独自測定に対する対応でございますが、区ではこの間にも、区民から寄せられる情報や不安の声を受けまして、延べ500カ所以上の施設で空間放射線量測定を実施するとともに、線量が高いとの心配の声を受けまして、側溝、排水溝、樹木や遊具の下なども測定してまいりました。今後も、いただいた情報も参考にしつつ、必要な測定を行ってまいります。
次に、説明会やシンポジウムのあり方に関するお尋ねですが、本区ではこの間、目に見えないがゆえに膨らむ放射能問題への不安を少しでも解消していただこうと、きめ細かな測定を行うとともに、その結果などをお知らせするため、区職員による説明会を4回、専門家を交えたシンポジウム1回を開催いたしました。新聞報道によりますと、5回にわたって説明会などをやってきた区というのは、23区ではほかにございませんし、参加いただいた方からは一定の評価の声もいただいております。
その一方で、参加できなかった方や、なお不安をお持ちの方などからは、説明会やシンポジウムの再度の開催を求める声や、働くお母さんたちが参加しやすいように工夫せよといったご意見などをいただいてまいりました。
そうした声を受けまして、本区では、改めて9月10日に再度、放射線に関する説明会を開催することといたしました。この説明会では、この間にさらに実施しております区の測定結果など区の取り組みをご説明いたしますが、土曜日の夜間の時間帯で開催をして託児対応を行うなど、多くの区民の皆様に参加しやすい環境を整えて開催してまいります。
私からは以上でございます。残りのご質問につきましては、関係部長等からご答弁いたさせます。
○議長(藤本なおや議員)
危機管理室長。
〔危機管理室長(井口順司)登壇〕
◎危機管理室長(井口順司)
私からは、放射線対策についての残りのご質問にお答えいたします。
初めに、線量低減に対処するための区独自の基準を早急に設定すべきとのお尋ねでございますが、放射線に関する安全基準は広域的な設定が必要なことから、現時点で区独自の基準を設定する考えはございません。
なお、特別区長会は6月16日に内閣総理大臣等にあてて、国において学校、幼稚園、保育所等における安全基準値を早急に策定し公表すること、安全値を超えた場合の対策を示し、対策等に要した費用について国が全額負担することを要望しております。
また、費用と従事した職員についてのお尋ねですが、現在までに支出した費用につきましては約280万円、延べ職員数につきましては、半日単位で約370名が出動しておりました。
次に、独自測定で高い数値が出たことについてのお尋ねでございますが、この間にもそうしたお話は他の方からもいただいてきております。放射線測定機器については、機器によって数値に差異が出ることもございますので、ご指摘いただいた場所については、今後の測定の中で確認してまいります。
また、除染については、これまでの区の広範な測定にあっても、健康への影響を心配するレベルのものは確認されておりませんが、高い線量が測定された場合には、必要な対応を考えてまいります。
次に、さきに開催いたしました放射線量に係る説明会、シンポジウムに関連したご質問にお答えいたします。
初めに、説明会において区から安心を押しつける説明が多数あったとのご指摘がございましたけれども、このたびの説明会では、客観的な測定データを多くお示しし、これまでの区の広範な測定結果では、健康に影響を与えるような数値は確認されていないことをご説明いたしました。安心を押しつけるといったことはしておりませんが、その後に実施したシンポジウムの際のアンケートでは、賛否さまざまな意見をいただきましたので、今後の説明会等の参考にしてまいりたいと考えております。
私からの最後になりますが、区が顧問として専門的立場から指導をお願いしております加藤先生の発言についてのご指摘がございました。加藤先生は、放射線の専門家の立場から、現在の東京、そして杉並区の放射線量等のデータを前提といたしまして、特別な対策を行う必要のないレベルであることを説明され、放射線への心配ばかりにとらわれずに、全体としてバランスのとれた生活スタイルをとることが大切ではないかとの趣旨を述べられたものと理解しております。
私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員)
高齢者担当部長。
〔高齢者担当部長(武笠 茂)登壇〕
◎高齢者担当部長(武笠茂)
私からは、ゆうゆう館での節電対策に関するお尋ねにお答えいたします。
これは、電気事業法に基づく電力使用制限令による節電対策の一環として実施したものでございますが、ゆうゆう館については、9月までの上半期の各団体の利用日程が既に決定していたことから、各団体の利用をできるだけ確保しつつ節電効果を上げることを考慮して、利用時間を設定し、広報やゆうゆう館を通じて利用者の方々にご協力をお願いしたものでございます。
私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員)
環境清掃部長。
〔環境清掃部長(原 隆寿)登壇〕
◎環境清掃部長(原隆寿)
私からは、再生可能エネルギーについてのご質問にお答えいたします。
我が国のエネルギー政策を見直していく中で、国民の暮らしを守り、安全を取り戻していくためには、再生可能エネルギーの普及は欠かせないものと認識しております。区では、国や都の動向を注視しつつ、外部評価委員会の意見や指摘を含めて課題を精査の上、改めて効果的な支援制度を構築し、再生可能エネルギーの普及に向けた取り組みを進めてまいります。
私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員)
19番富田たく議員。
〔19番(富田たく議員)登壇〕
◆19番(富田たく議員)
ご答弁ありがとうございました。改めて再質問させていただきます。
まず、ちょっと順番が変わってしまうかもしれませんが、市民団体による独自調査の測定を参考にして今後はかっていく、高線量が出た部分についても区で確認していくといった回答をしていただけたというふうに理解しております。
我々も、先ほどもお話ししたとおり、毎時0.5マイクロシーベルトと、単純計算しても年間1ミリシーベルトを超える値の出ている砂が公園の中にある、子どもたちがそこで遊んで、もし鼻に指を突っ込んだりなめてしまったり、それで内部被曝してしまう可能性もあるのではないかという保護者の方々の不安をすぐにでも解決するように、なるべく早目の区での測定を行い、必要があればそこを除染するといった対応をとっていただきたいと思います。
それから、区の調査、この間の区内全体の500カ所に及ぶ調査について、これは、先ほどもお話ししたとおり、私たちも高く評価しております。その中で、ここまでやった杉並区が、今後さらに区民の方々から評価し信用してもらえるように、そういった意味でも各施設で本当の意味での詳細な調査をしていくことが、住民の方々、区民の方々が、やっぱり杉並区はいいところだ、そういうふうに評価ができるのではないでしょうか。ぜひ、公園、小学校、保育園、幼稚園、その中で細かい測定を行い、高線量部分がないかどうか、そういったことをやっていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
続きまして、説明会、シンポジウムについてですが、こちらも、先ほど区長が述べたとおり、他区に先駆けて5回も行う、こういったことは私たちも高く評価をしております。さらに、今回9月10日にも実施されるということは私たちも認識しております。ただ、それでも、食料品の問題でもセシウム牛の問題があります。区としての対応もあります。そういった中で、まだまだ区民としては、区の率直な声というのをしっかりと聞いて、自分たちの声も区に届けたい、そういう場をつくってほしいというのが区民の気持ちではないでしょうか。
ホームページや広報などで公表はしているものの、実際に区がどういった形で調査を行っているのか、また区がどう思っているのか、そういったことを生の声で聞いてみたい、そういう区民の声にこたえ、ぜひ、5回、6回だけでなく、7回、8回、10回と、これは区の方々もすごく大変でしょうが、そういった区民に対する説明会、シンポジウムを開催していただき、そこでしっかりと区と区民がコミュニケーションをとる場をつくっていただきたい。こういうことをすることで区民からの区に対する信用も高くなるのではないでしょうか。
区の放射線対策顧問の加藤先生についてですが、余り何かしっかりとした回答がいただけませんでしたが、私、この加藤先生のお話を聞いて少し不安に思ったことがあります。杉並区が今回、先駆的な500カ所の調査、そして5回、6回と説明会を行う、こういった決断をしたことは本当にすばらしいことだと思っておりますが、その中で、区民の声について、少し面倒くさいような顔をしているのかなといった印象を受けるときがあります。また、区民の不安、自分の子どもたちが本当にここで生活していていいのか、そういった不安がある中で、その不安に寄り添い、その不安を解決していくのが本当の解決方法だと思います。必要があればしっかりとした対策をとる、そういった姿勢も明確に見せるべきです。なのに、今回、説明会でもシンポジウムでも、大丈夫です、安全ですと上から安心を押しつけるような説明がなされておりましたし、そういった中で、最後の締めとして、区の担当顧問という方が、「過ぎたるは及ばざるがごとし」や、宿命である、そういった言葉を使って、区民の不安を払拭するのではなく、そういった不安を持っていること自体が何か間違っている、こういった態度をあらわす、これは区民の不安に寄り添った態度ではないと私は感じます。そういった意味で適任ではないと先ほども言いましたし、特に退任される、解任するというような話でなければ、区としてまた顧問の方と一緒に、その姿勢についてもう一度考え直してみるべきだと私は思います。いかがでしょうか。
次に、節電のゆうゆう館についてですけれども、(発言する者あり)もう少しだけ失礼いたします。
広報やゆうゆう館を使ってお知らせをしたというふうにおっしゃっておりますが、今回、そういったやり方が、利用する方々にとっては押しつけ的な印象を受けたのだと私は感じております。高齢者の方々が利用するゆうゆう館、高齢者の方々は、そうそう簡単に生活のリズムを崩す、変えるというのが難しい、そういった方もいらっしゃると思います。せめて、こういう形で利用を制限したいのだけれどもどうだろう、そういった事前の相談というものが必要であったと思います。やはりここは、今後、利用制限の見直しも行いつつ、そういった利用制限を行うときのお知らせの仕方、決め方というのも考え直してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
以上、再質問を終了いたします。
○議長(藤本なおや議員)
理事者の答弁を求めます。
危機管理室長。
〔危機管理室長(井口順司)登壇〕
◎危機管理室長(井口順司)
私からは、再質問のうちの所管事項についてご答弁を申し上げます。
初めに、市民団体が測定した箇所についての区としての測定について、なるべく早く、また除染もというお話がございました。こちらのほうにつきましては、先ほどのご答弁とも重なりますけれども、今後区の中で測定をしてまいりますし、その中で高い線量が測定された場合には、必要な対応を考えてまいります。
それから、区の調査、500カ所測定したことは評価するけれども、各施設の詳細な測定もやってもらいたいというお話でございました。私どもこの間、区内で8カ所、1つの施設の中で1ポイントではなく、複数の箇所というものを測定してまいりました。そういう中では、測定値に大きな差があるというところは1カ所もございませんでした。基本的には同様の傾向の数値が出てきたというのがこれまでの結果でございます。
そういう中でございますので、今後の測定においても、この間の測定の結果を踏まえつつ、必要なものが出てくれば、それについては対応してまいりますけれども、今現在の段階では、改めて1つの施設の中で複数の箇所を測定する、それについて余り積極的に考えなきゃならないものはないのではなかろうか、そんな認識を持っているところでございます。
それから3点目といたしまして、説明会、シンポジウムで、さらなる説明会の開催、できるだけ区民とのコミュニケーション、情報共有を図るようにというお話がございました。今度9月10日に説明会をさせていただきますけれども、その後という中でも、これから時期を見て、測定も今後継続してまいりますから、そういう中でのご報告の機会というものは考えてまいりたいと思います。
私からの最後に、加藤先生の発言、それから、それについての適任ではない、そういったご指摘をいただきましたけれども、加藤先生におきましては、放射線の専門家として、ご自身の専門的な見地からの識見を忌憚なく説明し、またそれは、区民の皆様に、余りいろいろな情報に動かされることなく、専門的な立場から見ればこういう見解だということをわかりやすくご説明されたものだと私どものほうは理解しております。したがいまして、適任ではないといったところのご指摘には当てはまらないものと考えておるところでございます。
私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員)
高齢者担当部長。
〔高齢者担当部長(武笠 茂)登壇〕
◎高齢者担当部長(武笠茂)
ゆうゆう館の節電対策についての再度の質問にお答えいたします。
今回のゆうゆう館の節電対策は、他の施設と違いまして、輪番制で休館日を増やすという形にはしてございません。これは、ゆうゆう館の申し込みが6カ月前に既に決まっているということで、休館日を増やしますと、その団体の利用が制限されるということがございますので、そういう団体が出ないようにということで、すべての団体の利用というものをまず確保するということを第一優先して、利用について配慮したというふうに考えております。その上で、節電ということですので、皆さんに公平に協力していただくということで時間帯を変更させていただいたということでございます。
周知につきましては、早急にお知らせするという必要がございましたので、広報、各ゆうゆう館を通じてお知らせという形になりました。これにつきましてはご理解いただきたいというふうに存じます。
私から以上です。
○議長(藤本なおや議員)
以上で富田たく議員の一般質問を終わります。
~議事録抜粋終了~