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【議事録】富田たくの一般質問 2023年5月31日 杉並区議会第4回定例会 本会議

区政報告ニュース

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質疑内容 :

1.杉並区内の有機フッ素化合物、PFASの汚染について
2.性の多様性条例、パートナーシップ制度について
3.就学援助制度について
4.区内公共交通のバリアフリー化について

質問者 : 日本共産党杉並区議団 富田たく

2023年5月31日に行われた杉並区議会・本会議で僕が行った一般質問の議事録をアップしす。(議事録については時系列で管理を行うため、このエントリーの更新日は質問当日の日付にしております。更新日2023年10月4日)
※この議事録は富田たくの質疑を抜粋したものです。当日の全議事録はコチラから。
※動画での視聴はコチラから。
~~~~~~議事録抜粋開始~~~~~~

杉並区議会・令和5年第2回定例会-05月31日-10号

○議長(井口かづ子議員)
34番富田たく議員。
〔34番(富田たく議員)登壇〕
◆34番(富田たく議員)
日本共産党杉並区議団の富田たくです。区議団を代表しまして、1、杉並区内の有機フッ素化合物、PFASの汚染について、2、性の多様性条例、パートナーシップ制度について、3、就学援助制度について、4、区内公共交通のバリアフリー化について一般質問いたします。
最初のテーマは、杉並区内の有機フッ素化合物(PFAS)の汚染についてです。
本年5月19日、東京都水道局による有機フッ素化合物検出状況が公表され、善福寺3丁目に設置されている杉並浄水所の取水井戸から有機フッ素化合物、以下PFASと言いますが、検出されたことが明らかとなりました。検出された値は、1号取水井戸でPFOS、PFOAの合計値が1リットル当たり210ナノグラムと、環境省が設定している指針値の1リットル当たり50ナノグラムに比べ4倍以上と高濃度の汚染となっています。現在運用を停止している浄水施設であり、給水栓の水、いわゆる蛇口から出る水道水には影響はないとされていますが、杉並区の地下水が有機フッ素化合物で汚染されていることは大きな問題です。
最初にお聞きいたしますが、こうした東京都水道局の検出状況の公表について区長はどのように受け止めたのか、確認いたします。
PFASとは、フッ素と炭素から成る人口の化合物の総称で、約4,700種類以上が存在すると言われています。原子間の結合が強く、耐熱性、耐水性等に優れており、1930年代にアメリカで発見されてから、空港や軍事基地での大規模火災の泡消火剤やテフロン加工のフライパン、撥水加工の衣服や化粧品、ファストフードの包装紙など様々な製品に利用されてきました。便利な化合物である反面、自然環境に放出されたPFASは分解されるまでに相当の期間が必要と言われ、生物の体内に取り込まれると長く蓄積されてしまいます。多くの科学者は蓄積されたPFASが様々な健康被害を及ぼすことを指摘しており、現在、PFASのうち、PFOSと呼ばれるペルフロオロオクタンスルホン酸、PFOAと呼ばれるペルフルオロオクタン酸、PFHxSと表記されるペルフルオロヘキサンスルホン酸の3つの化合物については、国際条約で製造、使用、輸入が禁止されるようになりました。
アメリカでは、2012年にテフロン製造企業によるPFOA汚染によって製造工場近隣の住民に多くの健康被害が発生しており、法廷闘争の結果、妊娠高血圧症並びに妊娠高血圧腎症、精巣がん、腎細胞がん、甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎、高コレステロールの6つの疾患についてPFOAとの関連性が確認されました。3,500件以上の訴訟が行われ、製造企業が解決のために支払った額は6億7,070万ドル、日本円にして約724億円に上ることがジャーナリストのジョン・ミッチェル氏の著書で紹介されています。アメリカの訴訟で関連が確認された疾患以外にも、妊娠中の胎児への影響として、免疫力の低下や低出生体重、いわゆる未熟児などの健康被害も指摘されています。
こうした健康被害の危険性があるPFASが在日米軍基地周辺の地下水などで高濃度に検出されていることが問題となっています。さきに紹介したジャーナリストのジョン・ミッチェル氏による米国への情報公開では、在日米軍司令部が置かれた東京の横田基地で、2012年にPFASを含む泡消火剤が3,000リットル以上も流出する事故が発生していたことが明らかとなりました。井戸水を水道水として長年利用していた多摩地域では、PFASの汚染によって井戸からの取水を停止せざるを得ない状況が発生しており、大きな問題となっています。東京都の地下水は多摩地方から東へと流れており、杉並区で検出されたPFASも多摩地方と同じ排出源の可能性が高いと考えられますが、区の見解はいかがでしょうか。
水道局の公表では、杉並浄水所では、2005年、平成17年からPFOA、PFOSが検出されており、2012年、平成24年には1リットル中の合計値が150ナノグラム以上と高濃度の汚染状況であったことが分かります。当時、水道局から杉並区に対してこうした検出結果の情報提供はなかったのか、確認いたします。
PFASが検出された2005年から、大腸菌の検出による取水停止となる2016年までの約10年間、水道水としても利用されていた杉並浄水所の取水井戸では、PFAS汚染が高濃度の状態が続いていたと考えられますが、区の見解はいかがでしょうか。
多摩地方からの地下水がPFASに汚染されているとすれば、杉並区内のPFAS汚染は杉並浄水所の取水井戸のみに限ったことではありません。この点について区はどのように考えているのか、確認いたします。
井戸水、湧き水については、区内でも様々利用されています。早急に区内の井戸水、湧き水の検査を行い、地下水の汚染状況を把握するべきと考えますが、いかがでしょうか。同様に、区内の土壌の汚染状況の把握も必要です。農作物の安全性を担保するためにも、土壌の検査及びボーリング等による地中の汚染検査も行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
多摩地方では民間で血液検査が行われており、国が行った全国調査の3倍近い値で血液中のPFASが検出されている方もいます。杉並区としても、区民の血液検査を実施し、実態を把握することを求めますが、区の見解はいかがでしょうか。
2020年6月に環境省が自治体に送付したPFOS、PFOAに関する対応の手引では、「排出源の特定のための調査を実施し、濃度低減のために必要な措置を検討することが考えられる」として、各自治体に発生源の調査と必要な対応を行うよう指摘しています。多摩地域での最大の汚染減と疑われる横田基地では、立入調査が米軍によって拒否され実現しておらず、汚染源の特定に至っていません。
環境省の手引に基づき汚染源の特定を行うためにも、杉並区からも横田基地の立入調査の必要性を国と東京都に求めるべきと考えますが、区の見解を伺い、次のテーマに移ります。
次のテーマは、性の多様性条例とパートナーシップ制度についてです。
4月から杉並区性の多様性が尊重される地域社会を実現するための取組の推進に関する条例とパートナーシップ制度がスタートいたしました。我が党区議団は2015年から区議会で提案してきましたので、今回の制度開始を歓迎するものです。パートナーシップ制度については、届出の手続が開始された初日、4月24日に制度利用の届出を行ったと2組のカップルからお話をお聞きしました。当事者の方々が待ち望んでいたのだと改めて実感しています。パートナーシップ制度については現在までに何組の利用があったのか、まず確認いたします。
2組のカップルからは受理証カードも見せていただきました。パートナーであることを自治体が認めることの証明として、受理証カードの発行は大変よい取組だと私は感じております。ただし、届出後に受理証カードの発行に当たっては手数料が発生します。通常の婚姻届を提出する際には手数料はかかりません。受理証カードの発行手数料については無料とすべきではないでしょうか。紛失等での再発行時には手数料が発生したとしても、少なくとも初回の発行は無料とすべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
私は、2015年にパートナーシップ制度の実施を求めた際、事実婚カップルも含める制度を提案してきました。この間、事実婚当事者だけでなく、区内で制度創設を求めてきたセクシュアルマイノリティー当事者の方々からも、事実婚を含めた制度にすることが必要との声が寄せられています。パートナーシップ制度について、事実婚カップルを対象とするよう制度を拡充していくことを改めて求めますが、区の認識を伺います。
この間、元首相秘書官をはじめ多くの政治家たちから、セクシュアルマイノリティーの方々に対する差別発言が問題となっています。杉並区でも、性の多様性条例の議会審議の前後で、トランスジェンダーの方々を性犯罪者と同一視するような発言や、性犯罪が増加するといった女性の不安をあおるような発言が相次いでいることは問題です。家父長制度が色濃く残る日本社会では、様々な場面で女性が差別的な扱いを受けてきました。また、セクシュアルマイノリティーの方々も日常的に様々な偏見、差別にさらされています。ある意味日本社会の被害者である女性とセクシュアルマイノリティーの方々に対立構造や分断を持ち込むことは絶対に許されないことです。こうした下で、性の多様性条例の第8条で相談体制の整備や苦情の申出等を規定したことは大変重要だと思います。条文では、性別等に対する苦情の申出があった場合、区長が適切かつ迅速に処理するものとされていますが、この間、区民からの苦情の申出はあったのか、確認いたします。
苦情の処理については、豊島区や板橋区など他自治体では、性別等による差別等により人権が侵害されたと認められる事項について、区長の附属機関として3名程度の有識者による苦情処理委員会を設置し、調査、改善意見の表明、助言や是正の要請を行うこととしています。性の多様性条例の差別禁止条項に実効性を持たせるためにも、杉並区として、こうした苦情処理を行う第三者機関の設置や、指導に従わない場合の個人名、団体名の公表等の規定も検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。この点、区の認識を伺い、次のテーマに移ります。
次に、就学援助制度についてです。
昨年10月、子供の教育格差の解消に取り組む公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンは、全国の小学生の子供を持つ保護者2,097人を対象に、子供の学校外でのスポーツ、音楽などの習い事、クラブ活動、キャンプ、芸術鑑賞、スポーツ観戦、旅行など、いわゆる体験活動の実施状況等について実態調査を行いました。その結果、年収300万円未満の低所得世帯の小学生のうち3人に1人が、調査実施前の1年、習い事や旅行などの体験活動を何もしていないことが分かりました。世帯年収600万円以上の家庭と比較すると、2.6倍の差が生じています。調査からは、物価高騰が小学生の体験格差にも影響していることも分かりました。年収300万円未満の世帯では、30.8%が物価高騰によって体験の機会が減ったと回答、一方で年収600万円以上では13.7%にとどまっており、2倍以上の格差があります。このような調査結果からも、物価高騰が家計を直撃し、子育て世帯では子供たちの体験の機会が奪われている実態が浮き彫りとなっています。区内の子育て世帯の方々からは、食費が値上がりして子供たちに食べさせる量を制限しなくてはいけないのがつらいという声や、自分の食べる分を減らしているといった声が寄せられており、物価高騰の下、困窮する子育て世帯への経済的支援の拡充は急務です。
こうした下で、我が党区議団が長年訴えてきた就学援助制度の拡充が今年度から実施され、就学援助の認定基準額が生活保護基準の1.2倍から1.3倍へと引き上げられました。制度の対象者が拡充されたことは、困窮する子育て世帯への支援拡充への重要な一歩だと受け止めています。しかし、担当所管への事前ヒアリングでは、申請者数について、前年度と比較しても大きく増えたわけではないとのことでした。まず、こうした実態について杉並区の認識を伺います。
杉並区の就学援助制度は、前区長の下で認定基準額が段階的に引き下げられ、2012年度の認定者数約5,800人から、2022年度には約3,400人まで減少してしまいました。就学援助の決算額で見ると、2012年度執行されたのは約5億3,800万円でしたが、2021年度には約3億3,700万円と、9年間で2億円以上、4割近くの削減となりました。前区政下で困窮する子育て世帯への予算が10年間で4割も削られ、2,400人もの子供たちが支援制度から除外されたことをどのように受け止めているのか、改めて確認いたします。
今回、杉並区は認定基準額の算出方法を生活保護基準の1.2倍から1.3倍に引き上げましたが、世田谷区や大田区では生活保護基準の1.4倍としています。文京区では1.6倍です。こうした他自治体の取組を参考に、さらなる制度の拡充に取り組むべきではないでしょうか。困窮する子育て世帯のさらなる支援拡充に向けて、前区長の下で切り下げられた認定基準額を早急に切下げ前に戻すとともに、今後、認定基準額を生活保護基準の1.5倍程度へ拡充するための検討を早急に進めるべきと提案いたしますが、見解を伺います。
また、墨田区では、通常の就学援助の基準は生活保護基準の1.2倍ですが、独り親世帯については1.5倍の係数で認定基準額を計算しています。江東区も同様に、通常の係数は1.12倍としていますが、独り親世帯については1.45倍としています。こうした他自治体のように、独り親世帯の生活保護基準の係数を引き上げ、認定基準を拡充することも必要と考えますが、いかがでしょうか。
我が党区議団は、就学援助の拡充を行う場合、認定率、認定者数については目標値を設定して取り組むことを以前から提案してきました。杉並区で認定基準額の切下げが行われる前年度、2012年度の認定率は、小学校、中学校合わせて23.9%でしたので、杉並区としても認定率約24%を目指すなど、目標を明確に設定し、就学援助の拡充に取り組むことを提案いたしますが、いかがでしょうか。
世田谷区では、通常の就学援助の認定基準額より高い基準額を設定し、給食費のみの支給をする費目認定を2019年から実施しており、2021年度は4,140人、8.3%の児童生徒が支給を受けています。葛飾区でも、通常の就学援助とは別に、給食費、新入学児童生徒学用品費や入学準備金、修学旅行費、卒業アルバム費に限った費目認定を行っています。就学援助の認定基準を上回るが生活がまだまだ苦しい世帯、いわゆるボーダーライン上の世帯に対しても支援が届くよう、杉並区でも支給費目を限定した費目認定の導入を検討するよう求めますが、いかがでしょうか。
基準額の拡充による対象人数の拡大と併せて、就学援助の支給内容の拡充も必要だと思います。例えば、入学準備金の金額も自治体によって様々ですが、杉並区は小学校で4万7,780円、中学校で5万6,040円。財政規模も児童生徒数も杉並区と同程度の葛飾区や近隣の中野区では、小学校では6万4,300円、中学校では8万1,000円と、杉並区より約1万7,000円から2万5,000円も高い金額を支給しています。入学準備金の支給額の増額や支給費目、金額の拡充も、物価高騰で苦しむ世帯への有効な支援となると考えます。こうした就学援助の支給内容の拡充をぜひ進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。あわせて、前区政の下でコロナ禍にもかかわらず廃止されてしまった中学校修学旅行費半額補助金の再開も求めますが、いかがでしょうか。
ホームページやチラシでの就学援助の内容案内は、現在、英語とネパール語の2か国語を用意しているとのことです。杉並区の防災マップについては7種類で、英語、中国語の簡体字と繁体字、韓国語、タガログ語、ベトナム語、ネパール語が作られています。就学援助の内容案内についても、同様に多言語化をさらに進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
最後のテーマは、公共交通のバリアフリー化についてです。
2020年7月、JR阿佐ヶ谷駅で視覚障害者の転落死亡事故が発生したことは記憶に新しいと思います。我が党区議団は、区内鉄道駅のホーム転落防止対策として、ホームドアの設置を長年求めてきました。ホームドアの設置は、視覚障害者の方々だけでなく、駅を利用する全ての人の安全を確保するためにも急がれます。
そこでお聞きしますが、区内の鉄道路線ごとのホームドア設置の見通し、計画の現状を確認いたします。
ホームドアが設置されるまでの期間、転落防止対策として、弱視の方でもホームの端を認識できるよう、蛍光オレンジなどで目立たせるCPラインの設置が進められていますが、いまだに未設置のホームが残っている状況です。CPラインの早期の設置を鉄道事業者に求めるべきと考えますが、区の認識を伺います。
車椅子の方や高齢者、ベビーカーを押す子育て世帯の方々にとって、駅を利用する際、縦の移動にはエレベーターやエスカレーターが必要です。東京メトロ方南町駅では、2017年に駅西側にエレベーター、エスカレーター、多目的トイレが設置されましたが、東側出入り口にはいまだエレベーター、エスカレーターが設置されていないだけでなく、普通のトイレも設置されていません。利用者からは改善を求める根強い要望が寄せられています。杉並区としても、東京メトロと協力して、エレベーター、多目的トイレ等設置用地を探すなど、バリアフリー化に向けた連携を強化する必要性があると考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
荻窪駅南口についても、下りのエスカレーターがなく、エレベーターも狭くて、ベビーカーやシルバーカーの方がいると乗り切れない状況です。バリアフリー設備が設置されているこうした駅でも、利用者にとってまだまだ利用しづらい駅があります。こうした状況を把握し、改善を進めることも必要と考えますが、見解をお聞きいたします。
路線バスのバス停について、区民から、待ち時間に腰かけられるベンチの設置や雨よけとなる上屋を設置してほしいとの声が寄せられています。ベンチや上屋の設置に向けて、路線バス事業者や道路管理者等と協議を進めることを求めますが、いかがでしょうか。この点を最後に区の見解をお聞きいたしまして、私の一般質問を終わります。
ありがとうございました。
○議長(井口かづ子議員)
理事者の答弁を求めます。区長。
〔区長(岸本聡子)登壇〕
◎区長(岸本聡子)
私からは、富田たく議員の質問のうち、性の多様性条例に関する御質問にお答えします。
パートナーシップ制度の届出については、4月24日から受付を開始し、本日までで6組の届出を受けております。
次に、受理証カードの手数料についてですが、区では、届出に対する証明として、A4サイズのパートナーシップ届受理証を届出者全員に対して無償で交付しています。そして、希望する方に携帯用の受理証カードを発行しております。このように、受理証カードの発行は特定の者のためにする事務であることから、事務費相当分を手数料として設定したものであり、この点は申請される方に御負担をしていただきたいと考えております。
また、パートナーシップ制度の対象者ですが、区議会においてより多くの賛同を得て制度導入を図るべきと判断し、導入時点における制度の対象者を性的マイノリティーのカップルに限定しました。その際にも御答弁申し上げましたが、制度創設がゴールではなく、区民と共に制度を育てていく考えであり、区民の多様な意見等を把握した上で、先行自治体の事例なども参考にしながら、事実婚カップルを制度の対象にすることも視野に入れ、段階的な制度の見直しに向けて引き続き取り組んでまいります。
私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁を申し上げます。
○議長(井口かづ子議員)
杉並保健所長。
〔杉並保健所長(播磨あかね)登壇〕
◎杉並保健所長(播磨あかね)
私からは、有機フッ素化合物、PFASに関する御質問のうち、所管事項についてお答えいたします。
まず、PFASに関する健康影響及び環境に関する評価等についてですけれども、現在、国において、国内外の最新の科学的知見等を踏まえ、科学的根拠に基づく総合的な対応が検討されており、その評価については示されていないところです。
東京都水道局の公表についてですけれども、杉並浄水所の井戸は、大腸菌が検出されたため、平成28年12月から取水が停止されており、現在も水道水に使用されておりません。また、区内の水道水については、東京都水道局が定期的に検査を行い、安全性に問題はないとの見解が示されております。
なお、井戸水は水道水のように水質が管理されていないため、区はかねてより井戸水は飲用しないよう注意喚起を行っており、今回の東京都水道局の公表を受け、改めて区ホームページにおいて周知したところです。
次に、杉並浄水所での過去の井戸水の検査結果に関するお尋ねですが、当時は法令等による暫定目標値等の定めがなく、東京都水道局が検査方法の検討等の目的で実施したもので、区への情報提供はございませんでした。また、平成28年の取水停止前の状況につきましては、東京都水道局によりますと、杉並浄水所の水は上井草給水所に全量送られ、朝霞浄水場等の水と混合してから水道水として供給されておりました。その際の水の量の割合は、上井草給水所を100とすると、杉並浄水所は1未満であったと伺っております。
次に、血液検査による実態把握に関するお尋ねですが、先ほど御答弁申し上げましたとおり、現在国において健康影響等について検討されていることから、区といたしましては、国等の動向を注視しつつ、タイミングよく必要な対応が行えるよう、情報収集等に努めてまいります。
私からは以上です。
○議長(井口かづ子議員)
環境部長。
〔環境部長(小松由美子)登壇〕
◎環境部長(小松由美子)
私からは、PFASに関連する御質問のうち、所管事項についてお答えします。
まず、御指摘のとおり、杉並区内を含め、都内の地下水はおおむね西から東に流れている状況にございます。一方、今般、杉並浄水所の井戸水から検出されたPFOSなどは、半導体の製造や撥水加工などの様々な用途で広く使用されてきており、東京都の島嶼を除く都内地下水の検査では、全区市町村で検出されております。多摩地域と同じ排出源の可能性が高いといったことや横田基地との関連については、区は把握してございません。
次に、区内の井戸水や湧き水、土壌のPFOSなどの把握に関するお尋ねにお答えします。
環境省が行った地下水の調査では、全国で暫定指針値の100倍を超える値が検出された地点もございますが、都環境局がこれまで公表した区内の地下水に関する5回の調査では、いずれも暫定指針値を超える値は検出されていない状況です。また、水道水に関しては、都水道局に安全性の確認を行ってございます。次に、土壌に関しては、現在、十分な精度を持った統一的な測定方法が確立されておらず、国が令和5年度の早い時期に関係自治体に示せるよう検討していくと聞いてございます。
なお、本年5月23日に、都知事が環境大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣宛てに有機フッ素化合物対策の推進に関する緊急要望を行っております。その中で、土壌中のPFASについて、早期の測定方法の確立や地下水の濃度低減に向けた措置などを示すこと、PFASの農畜産物などへの影響を明らかにし、必要な対策を速やかに検討することなどについて求めてございます。これらを踏まえ、お尋ねの横田基地の現地立入調査について、現段階で国、東京都に求める考えはございませんが、今後、横田基地周辺の6自治体の状況を把握するなど、広く情報収集に努めてまいります。また、こうした現状や区の取組について区ホームページなどにより広く周知することなど、区民の不安感に寄り添った対応を心がけてまいります。
私からは以上になります。
○議長(井口かづ子議員)
区民生活部長。
〔区民生活部長(齊藤俊朗)登壇〕
◎区民生活部長(齊藤俊朗)
私からは、性の多様性条例に関します残りの御質問のうち、苦情の申出の対応につきましてお答えいたします。
区では、苦情の申出を受けた場合、申出者からその内容を傾聴した上で、本人の希望に応じて関係者から事実関係の確認を行ってまいりたいと考えております。その際には、本条例の趣旨を丁寧に説明した上で必要な対応を求めていくほか、状況に応じて労働基準監督署や法務省の人権擁護機関につなげていく考えです。制度制定から間もない現時点におきましては、この条例の制度理解に努めていくことが第一と考えており、議員御指摘の差別禁止条項に実効性を持たせるための公表規定の整備や苦情処理を行う第三者機関の設置などにつきましては、今後の苦情相談で寄せられた具体的な内容等を踏まえ検討してまいりたいと考えております。
なお、制度開始以降、区に対しまして性を理由とした差別等に関する苦情の申出は寄せられておりません。
私からは以上です。
○議長(井口かづ子議員)
都市整備部長。
〔都市整備部長(中辻 司)登壇〕
◎都市整備部長(中辻司)
私からは、公共交通のバリアフリーに関する一連の御質問にお答えをいたします。
まず、区内鉄道駅のホームドアの設置状況でございますが、現在は東京メトロ全駅に設置されている以外は全て未設置となっております。見通しでございますが、京王井の頭線久我山駅において令和6年度、2024年度の設置を予定しているほか、京王井の頭線では2020年代中頃、京王線で2030年代前半を目標に、区内全駅について整備すると伺っております。JR中央線各駅では、令和6年度、2024年度に予定している12両編成化以降の整備を予定、西武新宿線については、列車の運行本数や乗降客数、視覚障害者の利用状況等を勘案しつつ、現在検討を進めていると伺っております。
次に、塗装などにより視覚的にホームの端部を示すCPラインについてでございますが、区としましては、ホームの安全性向上のため、機会を捉え事業者に設置を求めてまいりましたが、現状、一部未設置の路線があることは承知しており、今後とも事業者に対し設置を求めてまいります。
次に、方南町駅についてのお尋ねがございました。
新たなバリアフリー化された経路の必要性は区でも認識しており、引き続き東京メトロと意見交換を積極的に行うなど、実現に向けた連携を強化してまいります。また、駅におけるバリアフリー設備については、先般改定いたしました杉並区バリアフリー基本構想において、移動等円滑化に向けた各種の事業を実施する重点整備地区として新たに荻窪駅周辺地区を指定するとともに、区内全駅のバリアフリー経路等の適切な維持管理と改善を掲げたところでございます。一方で、バリアフリー設備が設置済みの駅であっても、一部の利用者にとって利用しづらい状況があるということは承知しておりますが、設備の改善にはスペースの確保など様々な課題がございますので、引き続き鉄道事業者等と意見交換を行いながら、バリアフリー化を推進してまいります。
私からの最後でございますが、バス停へのベンチ等の設置についてのお尋ねがございました。これら施設の設置に際しましては、歩道部分の幅員の確保など様々な課題がございますので、引き続き事業者等と協議をしてまいりたいと考えております。
私からは以上です。
○議長(井口かづ子議員)
教育委員会事務局次長。
〔教育委員会事務局次長(岡本勝実)登壇〕
◎教育委員会事務局次長(岡本勝実)
私からは、就学援助に関する一連の御質問にお答えいたします。
初めに、就学援助の対象者数についてですが、就学援助の申請状況は、申請者数、申請率ともに減少傾向にありましたが、今年度は5月末の時点で昨年度の同時期の申請者数を若干上回りました。これは認定基準の見直しを行ったことに起因するものと考えられます。
なお、予算額は児童生徒数や認定率に基づき毎年算定しているものですので、支援が必要な子供を制度から除外したものではございません。区といたしましては、厳しい社会経済状況の下で、真に支援が必要な子供にしっかりと寄り添える対応を心がけてまいります。
次に、就学援助の認定基準の拡充に関する御質問にお答えします。
認定基準については、物価高騰の状況等も踏まえ、適切な基準にしていくべきものと考えており、今年度は、当面の対応として、認定基準額を生活保護基準の従来の1.2倍から1.3倍へと引き上げたところです。今後も、様々な社会情勢等を勘案しながら、必要な見直しを行ってまいります。
独り親世帯の認定基準については、区では生活保護基準に独り親の加算を含んだ額としており、他の世帯構成と比較して基準額が高くなるように設定しております。
次に、就学援助認定率の目標設定に関する御質問にお答えします。
就学援助は、経済的な理由により義務教育の就学が困難な子供がいる保護者を対象に援助をすることを目的としています。認定率を目標数値とした場合、世帯所得が基準ではなく、全世帯を対象とする相対評価となってしまい、所得が低く就学が困難な世帯を支援するという本来の趣旨と大きく乖離してしまうため、目標値として認定率を定めることは難しいと考えています。
次に、就学援助の支給費目等に関する御質問にお答えします。
支給費目を限定した費目認定の導入についてですが、区ではこの間、杉並区立学校における義務教育保護者負担軽減のあり方検討委員会において、保護者が支援する各費目について負担軽減した場合の効果や課題の整理を行いました。その結果を踏まえて、保護者負担額が高く、より多くの家庭が対象となる学校給食費の公費負担が最も望ましい支援策と結論づけたところです。入学準備金や中学校修学旅行費補助金も含め、その他の保護者負担の軽減策につきましては、一律に無償とするべきもの、一定の負担を求めるものなどを整理する必要があり、今後も引き続き検討する考えです。
なお、支給費目ごとの金額は毎年物価水準等も勘案して算出しているものであり、今後も、これまでどおり、子供の就学を保障するという視点に立って適切に対応してまいります。
私からの最後に、就学援助の案内の多言語化に関する御質問にお答えします。
日本語の理解が十分ではない児童生徒の保護者の多くが英語を話せることから、現在、就学援助の案内は英語のほかネパール語を用意しておりますが、今後、必要性を踏まえて多言語化の検討をしてまいります。
私からは以上です。
○議長(井口かづ子議員)
34番富田たく議員。
〔34番(富田たく議員)登壇〕
◆34番(富田たく議員)
再質問させていただきます。
まず、答弁ありがとうございました。
区長から答弁がありました性の多様性条例、パートナーシップについて先に質問というか、要望ですね、まず。事実婚当事者の方についてということで要望いたしましたが、2015年のときも私お話をさせていただいたと思いますが、私も事実婚当事者でありまして、今パートナーと、杉並区のパートナーシップ制度が実施されたときには一緒に使っていこうねという話をしていたところなんです。ですので、私の強い要望もありますし、他の事実婚当事者の方々の強い要望もありますので、ぜひ対象者の拡充については進めていっていただきたいと思います。これは要望です。
PFASについてです。
まず、東京都のことなのかな、環境局が杉並区ではPFASの調査をしていて、そこでは出ていないというお話をされておりました。それによって区内の井戸等での調査は今のところは行わないような姿勢だというところだと思うんですけれども、水道局のほうでは、杉並浄水所の取水井戸からPFASが出ている状況なんですよね。その汚染の状況が一体どれくらいなのか、限定的なのか全区的なのかというところをしっかりと区としても把握していかなければいけないと思うんです。
東京都環境科学研究所というところが2010年から4年間、PFASの調査を行った際の結果がありました。そちらのほうでは、2010年から4年間なんですけれども、2012年と13年で、基準値以下ではありますが、杉並区でもPFASが検出され始めた。この論文の中で、まとめの部分で「PFOAの排出削減活動に伴う効果が地下水では即座に現れにくいことが示唆された」と、環境中に残存していくんだというところが示されたというふうに指摘されているのと同時に、「都内には他にも多くの井戸や湧水があるため、さらに詳細な汚染実態解明を進める必要がある」とこの研究所は言っているわけです。この論文が環境局のホームページでも紹介されています。杉並区内の汚染の実態、解明するために、まずは、杉並区が所有しているというんですかね、責任を持っている公園や小中学校での防災井戸等、そうした区の責任で取水ができる、調査ができる場所に限定してもいいので、区内の汚染状況の把握をぜひ行っていただきたいというふうに思いますが、改めて確認をいたします。
あと、横田基地への立入調査、これは必要だと思うんですね。ぜひ国や東京都に対して行っていただいて、横田基地近隣の自治体が求めている立入調査、杉並区からも後押しするように行っていただきたいと思います。この点については強く要望しておきます。
就学援助についてです。
今年度、若干申請者が上回ったというところですけれども、まだ認定者の人数自体は計算中ということで出ておりません。正直、もっともっと増えていかないと、きっと困窮する子育て世帯への支援というのがまだ行き届いていないのではないかなというふうに私は思っておりますので、ぜひ、1.2から1.3倍にしたというのに引き続いて、来年度以降もこの認定基準額を拡充していけるよう検討を進めていっていただきたいと思いますが、改めて見解をお聞きします。
また、独り親世帯に対する認定基準額、墨田区や江東区の事例を紹介して、係数をかなり引き上げて対象を拡充しているというところを紹介させていただきました。杉並区でも独り親加算を入れているんだというお話をされておりましたが、その金額自体は、入っているというのはすごく重要なことではあるんですけれども、墨田区や江東区ほどの拡充にはなっていないと思うんです。係数を拡大するような形で、困窮する独り親世帯は大変だと思うので、そこへの支援の拡充を進めていただきたいと強く求めますが、改めて区の見解を確認いたします。
あとは、バリアフリーについて。方南町駅、昨年、私も都議会議員の原田あきらとともに東京メトロへの申入れを利用者の会の方々と行ってまいりました。土地のめどはまだ立っていないというところで東京メトロから回答はありましたが、メトロとしても進めてはいきたいというふうにお話をされていました。やはり土地を探すのがすごく大変だと思うんです。土地の利を持っている杉並区が具体的に、メトロと連携をして一緒に地権者と交渉するとか、こういう売り物件があるよというようなアドバイスをするとか、そういう有機的な連携をしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
以上、答弁を求めます。よろしくお願いいたします。
○議長(井口かづ子議員)
理事者の答弁を求めます。環境部長。
〔環境部長(小松由美子)登壇〕
◎環境部長(小松由美子)
私からは、富田議員の再質問のうち、井戸水の水質検査の実施に関するお尋ねにお答えします。
繰り返しの御答弁になってしまいますけれども、都環境局の検査は定期的に行われてきており、これまで公表している過去5回の検査において、暫定指針値を超える値は検出されてない状況です。一方で、暫定指針値を超えるところも他市町村等ございますので、またPFASについては、現在国において健康影響ですとか環境に関する評価などについて科学的根拠に基づく総合的な対応が検討されていることから、現状といたしましては、国や都、他自治体の情報収集を積極的に行って、区民の不安感に寄り添えるように周知などに努めてまいりたいと存じます。
以上です。
○議長(井口かづ子議員)
都市整備部長。
〔都市整備部長(中辻 司)登壇〕
◎都市整備部長(中辻司)
私からは、方南町駅のバリアフリーに関連した再度の御質問にお答えをいたします。
委員御指摘ございましたとおり、バリアフリー化のためにはそのための用地が必要だという認識、私も同様でございます。駅周辺での建物の建て替え、さらには開発、そうした情報がありましたら当然メトロ側に提供していくなど、これまで以上にしっかり、議員からございましたが、有機的な連携に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(井口かづ子議員)
教育委員会事務局次長。
〔教育委員会事務局次長(岡本勝実)登壇〕
◎教育委員会事務局次長(岡本勝実)
私から、富田議員の再度の御質問にお答えします。
初めに、独り親世帯の基準額についてですが、これは御紹介いただいた区とは計算の手法が違いますが、先ほど御答弁したとおり、生活保護基準の中に含んで既にやっているというふうに考えてございます。
それから、1つ目の倍率をもっと上げられないかというお話でございます。御存じのとおり、この就学援助は、経済的な理由によって義務教育の就学が困難な子供がいる保護者、もちろん児童生徒も含めて、きちんと義務教育が受けられるように援助をすることを目的としています。そこは共通しているかなと思います。いずれの場合も、現在の社会経済状況下において、本当に支援が必要な子供たちにこの援助をしてい
くということが大切ですので、教育委員会としては、今後もしっかり寄り添える対応をしていきたいというふうに考えてございます。
私からは以上です。
○議長(井口かづ子議員)
以上で富田たく議員の一般質問を終わります。
~~~~~~議事録抜粋終了~~~~~~